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雨の丹波山村
乱蘭通信84号












No84・Menu
   A pool in Rain
    ・・・Mamoru Muto
   地蔵と風車
   フォアグラにて
    ・・・こまきもみじ
   予後 ・・・ 八木雅彦
   江戸の夏・6月
   思い出すまま・・武藤 守
   やまゆり・・・・夏の植物

 背景写真 : 雨の丹波山たばやま
 雨の続く梅雨のある日、気晴らしに気の向くままハンドルを山道に向けた。談合坂の旧甲州街道、猿橋、七保、と山の中に分けいって行く。松姫峠の長い曲がりくねった道を登って行くと、眺望が開け、山々に白い雲が流れ美しい。雨の切れ目の山々は長い入院の合間に出た外出許可の喜びような、何もかも控え目で清潔な風景である。
 更に白い雲を捜して奥へ奥へ、小菅村、丹波山村へと向かった。ここは大菩薩峠の東裾にある。下り降りる道の途中から眺めた村は、川沿いのちっぽけな平地に家々が寄り添い、その回りに段々畑が続き、急な山へと繋がり、白い雲がゆっくりと動いていた。
 人間の生の営みは、人と人が寄り添うことにより、幾百年、幾千年と繋げることができた。何か「社会の原初」に繋がるものに触れたような気がして、哲学的な、詩的な気分をしばし楽しんだ。(M)




編集後記

前回はガンちゃんの前々回は菅野さんの文章が「良かった」「涙が出てきた」とメールや電話で感想をもらいました。うれしく有り難いことです。誰でも簡単に人には言えないドラマがありますが、大切な話をこの紙面を使ってお話していただけることに、僕は感謝にたえません。本当の話は強いですよね。他の皆さんもこの紙面を使っていただけたら僕としてはうれしいことです。

家を捜して、新しい季節を。と行きたいのですがなかなか。新しい発想や新しい出会いで心がわくわくしていると言うが僕の理想的な心の状態です。新鮮なもので心が活性化すれば、当然作品が生まれます。さてと、心も体も横になり後ろを向きひっくり返して見ると何か見落としがある。何か新しい発見がある。そこがスタート、そこが生きるヒント。

今回は小牧さんと八木雅弘君と私の三人の原稿で作りました。締め切り間近まで僕だけの原稿しかなく、少ないのも又楽からずやなどと考えていたら、小牧さんと八木雅弘君のメールが飛び込んできた。次回は九月半ばごろ出します。(M)