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道中日記 9

4月24日

AM9時、龍野西SA。旗のない旗綱を引く男を見る。何のまじないか。車中暑し。風強きところ多し。おりおり睡る。揖斐川。長良川。木曽川。名古屋より中央道。追い追い桜若返る。駒ヶ岳から雨。諏訪湖。美事な枝垂れ桜。涼しくなる。小淵沢を過ぎて富士を望む。ところどころ雨雲山を消す。富士、正面に山頂のみ朱鷺いろに映えてしぶくが如し。双葉SA、強風、大粒の雨、稲光 り。暗雲おどろ。職員大わらわで露店をたたむ。人みなはしる。雨脚はしる。雲脚はしる。登志以前は無口でおとなしかった由。メーターを見て、約3500kmの旅となるもよう。

PM4:00、気象放送、瞑想の趣き。蕎麦きりのルーツ、山梨と長野の二説ある由。

5:00藤野、無形の家着。山崎、古津、運転御苦労さま。おかげで濃厚なまたとない一週間を御馳走になりました。古津曰く“運転しないでただ乗ってるのもけっこう疲れると思うよ”無為すらねぎらうこころ優しき。乾杯をして解散。二人の帰った後、雨のなか横ざまに夕日が射して、大きな大きな虹が立つ。二重 の、見事な虹。遊寿、如那、子どもたち大はしゃぎ。私も共にはしゃぐ。雨なかなか止まず、濡れながら虹を見晴して暫し立ちつくす。

追記1.馬場崎研二氏の個展は4月30日〜5月7日、お茶の水に於いて開催。活況だったもよう。この10月には横浜のデパートで大きな展覧会が持たれるそうです。

追記2.ナカジははたして無事帰ってきたのかどうか、寡聞にしてその消息を知りません。

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