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葉子 ちゃん 

彼女は何時も突然やってくる。
後ろに気配を感じたと思ったら、僕の背中を叩く。
振り向くと彼女が立っている。

ははあっ、何か嫌なことあっまたな、とすぐわかったが、
根掘り葉掘りと聞かない。彼女が言いだすまでは。

隣の部屋で買ってきたビールを飲み始めた。
僕は僕で最近僕の身にあったことなど、
かってにベラベラと喋っている。

親戚の家と思っていいよ。遠慮は無し。と話してある。
メールも電話もなく、突然自転車でやってくるので、
まるで忍者に襲われたように、毎回驚かされる。

彼女とは、親子以上の年の差がある。
共通の話題見つけるのはなかなかむずかしい。
同じ年頃の自分を振り返ると、話を聞いてくれる、
年上の存在はとても助かった。
ストレスは自分で整理して解決せるしかないのだが、
年上の安定した精神は大いに役立つ。

まあ僕としては、少し不思議な友達はなかなか楽しい。
息抜きになるなら、それで良い。
可愛い女の子に襲われるなら、それも悪くはない。

一時までに帰らなければというので、自転車を車に積み、
白い曼珠沙華を見に、寄り道をして送っていった。
2019.10.3 Mamoru Muto
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