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少 女 像 


 この像が韓国に出てから、慰安婦問題への、僕の同情心や謝罪意識は、急速に失せて行くのを感じた。政治が被害者の上に立ってしまったということです。慰安婦問題を、政治の道具にしてしまった、最低のガラクタだからです。

 日本のこの種の被害者運動を見ていただけたらわか李やすいと思います。原爆被害、戦争被害、公害被害等々の運動です。被害者の証言の収集と記録、被害の調査を最も重視しています。被害者の活動の支援に徹し、自らの政治的主張は、最大限さける。必要なら他の場所で行います。

 「子供が慰安婦にされた」のは事実です。しかしそれは、慰安婦問題を代表することではありません。人々の感情に訴え易いという一点で、作られた、人形です。「少女」を強調することにより慰安婦問題の持つ様々な問題は、隠蔽されるのです。
 ニューヨークタイムズ紙の記事では、慰安婦との直接的、写真が残っている等の関係は曖昧で、慰安婦とは全く違った事件で死んだ少女と極似しているという記事です。
 最初から政治的アピールの為に、外の少女のイメージの盗用です。


 韓国では「反日」が国是で、その政治団体の力は強いのです。「昔は良かった」と呟いた老人が殴り殺される事件まで起きています。慰安婦の皆さんも、支援と称する政治団体の意向に沿わざるを得ないのです。本音を、公に出来ないのです。

 前政権と合意した日韓政府による保証金を、七、八割の人々が受け取ったなら、この合意は大成功です。殊更謝罪と言わなくとも、お金には謝罪の意味が込められています。
 なのにこの少女人形を国内のみならず、世界中に撒き散らすのは、慰安婦のもたらす政治的効果があるからに他ありません。偏狭な民族主義のためにです。

 少女像は慰安婦とは全く関係ないのです。被害者やこの問題の真実との乖離してゆきます。嘘は嘘を呼び、少女が聖女となり、旧日本軍は凶暴性を増し、悪の権化になるのです。

 嘘からは未来は描けません。強く「ノー」言うべきなのです。全く日韓関係改善には役立ちません。
2019.10.3 Mamoru Muto

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