思い出すまま - No197 /  prev top next

 オミクロン株が中国を変える。
 コロナの世界拡大が、経済、政治、社会、文化を変えつつあります。ウイズコロナ、中国以外は、コロナ伝染病との同居を決めました。ワクチン、飲み薬でコロナには対応し、集団抗体を獲得し、普通の風邪へと毒性が弱まることを期待する事に、方向性を決めました。
 中国はIT技術を使った国民管理体制を確立したが故に、ゼロコロナ政策を維持しています。しかし、オミクロン株はじわじわと感染は拡大しつつあります。ロックダウンは、都市の生産活動を最小限にしてしまう故に、経済に与える影響が甚大なのです。
 
 今年は中国のゼロコロナ政策が破綻するのではないでしょうかね。三月半ばで中国全体で毎日の新規の感染者は三千人程度です。しかしこれば武漢で最初に感染拡大した時期と同じ数字です。恐らくこれが10万、100万へと拡大するのではないでしょうか。ITを使った人民管理や都市閉鎖では防げなくなるのではないでしょうか。
 
 これは中国に取り良い事です。人間は自然の産物です。伝染病とは有史以来、上手く同居して来たのです。それを科学技術や人為的接触遮断のみで止めるのは、人間の思い上がりです。
 僕はそんな風に見ています。
 
 気になるゼロコロナ政策その病的な完璧主義
 冬季北京オリンピックのコロナ対策を見ると、バブル方式は昨年の東京オリンピックと変わらないのですが、その徹底ぶりは、外から見ていると病的なものを感じます。何もかにも、感染者をゼロにする担当者の意図が、強過ぎるという感じです
 上海のオミクロン株の感染拡大でも、同じですね。単なる伝染病対策ではない、異質なものを感じます。
 
 いつ変わったのか分かりませんが、当初は症状の出ている人のみ、患者として認めることだったのか、現在はPCR検査陽性者全員が、患者として扱われています。
 上海の場合、95%は無症状です。症状のある人はとても少ないのです。オミクロン株ですので、日本や他の国と同じで、コロナ当初に比べたら、桁違いに弱くなっているのに、その対応の強引さは変わらないようです。
 何やら、疫病対策に、別な要素が加わったようです。そこで中国のコロナの記事を色々読みました。僕が感じた異質なものの正体が分かってきました。
 
 「中国は世界の他の国に比べて、先をいっている。ゼロコロナ政策は、たこくより優れた政策である。」という自負心が、政策担当者にあるということです。更にそれが習近平政権の中枢部に存在する。ということです。
 秋に習近平の主席継続論議と重なり、疫学問題を離れて、政治問題となってしまっているのが、違和感の原因です。
 
 当初の感染拡大が収束してから、中国は世界で一番患者数が少なか維持しています。しかしそれは、自然抗体の蓄積が少ないということです。更に中国製のワクチンは、新たな変異種には効き難いということが、ゼロコロナ政策を維持するりゆうです。そしてそれはある時期、対策の限界を超えて、感染者の急速拡大へとつながる可能性があります。甚大な被害をもたらす危険があるということです。医療体制の脆弱な農村部に拡大したら、症状が軽くても大きな被害をもたらすきけんがあります。
 
 伝染病という疫学の問題が、政治的意図が加味したことにより、対策の柔軟性を欠いているような気がします。
 
 オミクロン変種の全国拡大
 昨年のデルタ株まではゼロコロナ政策で抑えることができました。感染力の強いオミクロン株、その変種が主軸なるつれ、拡大を止められなくなりつつあります。95%無症状であるにもかかわらず、中国製ワクチンが効かない故に、人為的な規制に頼らざるを得ないのです。
 四月半ば時点で、オミクロンが主役の上海、さらに地方の大都市に感染拡大しつつあります。それが医療施設の脆弱な農村部まで拡大したら、習政権の存亡を揺るがす大問題になりなげないのです。
 
 
 ウクライナ戦争
 正確には去年秋から、今年に入ってからは尚更、気になりインターネットニュースを覗き込んでいました。二月末からは、次は何が起こったいるのか、日本語で読める記事は出来るだけ読み自分なりの情勢分析をしてきました。
 初めはまさかウクライナに軍進めるでは思っていなかった。政治的圧力で、東部の戦争がうまくゆかないので、ウクライナに妥協を迫った、政治的なものと思っていました。軍をすすめても、東部や南部が中心で、キーウへ軍を進めるとは思わなかっのです。
 
 ウクライナは4,000万人の国です。韓国と同じぐらいの人工です。高々20万人の兵士では少な過ぎます。都市は包囲出来ても、市街戦となればウクライナ軍が圧倒的優位だからです。知らない街の都市の攻略には熟練した兵士が大量に必要なのです。 それは素人が考えても分かります。東部、南部のロシア軍の拠点から、一つ一つ都市を陥落させてゆくのが常作です。
 ヨーロッパはエネルギーをロシアに依存し、今までは東欧諸国は負担になるだけで、各国ごバラバラでした。しかし今回は、急速に反ロシアにまとまったのは、利害を超えて、ゼレンスキーウクライナに、ヨーロッパ諸国の成立の根幹、自由と民主主義の戦いを見たからでしょうね。
 王権からの自由、独裁者者からの自由、それがヨーロッパの現在の政治の根幹です。
 
 ウクライナとロシアは先祖をキエフ大公国から始まり、モンゴル帝国の介入により、ウクライナ、白ロシア、ロシアへ分裂した歴史持ちます。しかし、ソ連時代は、ソ連邦を支える根幹の民族でした。ロシアと分けることが出来ない土地でした。
 ソ連崩壊から一つまた一つ東欧諸国が分裂し、ロシアの兄弟の国までロシアを嫌い、死力の戦いを始めたのです。プーチンはそれが許せなかったのです。
 恐らく今回は一つの経過、これからはロシアの解体が始まると言うことでしょう。現在のロシアは様々な民族を含む多民族国家です。ロシアの支配に不満を持つ人々が多く住んでいますから。
え・ちえ 
 歴史的にはソ連解体の通過点
 第二次大戦後、ロシアはソ連邦という大帝国を築いた。経済の行きつまりとともに、ソ連が解体して、東欧諸国がひとつ、またひとつとロシアを離れてきました。プーチンはそれを元に戻そうと、石油、天然ガスの利益を武器に、国内をまとめてきたのです。しかし、それだけでは不十分なのです。日本の三分の一、韓国と同等の経済力では、巨大な軍を維持することはできないのです。独裁化の進行とともに、西側企業の撤退、原材料に頼る経済となってしまったのです。経済的、文化的優位性がなければ、盟主としてのロシアは存在の意義を失います。
 2014年、最大の朋友であったウクライナの民主化は、ロシアの魅力が失われたからです。軍事力で取り戻せるものではありません。
 
 今回の戦争は諜報組織の側近が描いた戦争です。軍は戦争に否定的でした。独裁化が進行し、イエスマンたちがプーチンの喜ぶ情報しか報告しなくなり、プーチンは間違った情勢判断の下に大きな判断ミスをしたのです。
  開戦により、1、バラバラだったEU諸国がまとまりウクライナ支援に回ったこと。2、ウクライナより長い国境線のあるフィンランドがNATO加盟に世論が大きく変化したこと。3、ウクライナ人の抵抗。開戦と同時に、ロシアの大きに政治的敗北者になってしまったのです。
 密室政治のこわさです。イエスマンたちの分析が、いかに甘い判断だったということです。
 
 長い独裁政権の腐敗が、ロシア兵士の士気のなさとして現れています。物資の横流し、軍事費の流用が、兵站劣化を引き起こし、兵士の戦闘能力の低下となったのです。
 一方ウクライナはロシアとの戦争の中、ソ連式の軍の組織をNATO式に変えてきました。現場責任者への権限の委譲、小、中規模軍団が自由に行動を起こせる体制に変えてきたのです。それか大きな効果を上げています。一番は兵士の士気の違いです。家族や町を命がけで守るの対して、嫌々戦争している兵士のメンタルの違いです。これではロシアは勝てません。
 
 ロシアを「砂の国」というそうですが、ロシアは多民族国家です。政治的、経済的利害というよりロシアの強力な軍事力によってまとまっているのです。プーチンの独裁はなを押さえるたがなのです。この戦争によるプーチン政権の崩壊は、今は静かにしている民族が独自の政治的主張を始めるということです。
 

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