思い出すまま - No182 /  prev top next

 「水の革命」 ━ 今香港で起きていること
 
 今回の香港の抗議活動は、「水の革命」と呼ばれるようになっている。ブルース・リーが目指した境地「Be Water(水になれ)」のようだからだ。リーダーの顔が見えず、誰が動かしているかも分からないが、ハイテクノロジーによって多くの人が「水のように形がなく、変幻自在」に動いているからだ。(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)ダイヤモンドニュースからの抜粋
 
 香港のデモ参加はそう認識しているわけではありません。彼等は香港の民主主義を守る運動だと思っています。今までにはなかったものが生まれようとしているのです。
我が家の裏庭のミョウガ
 面白いですね、実に!!
 中国はハイテク技術を逐次し、国民を管理するシステムをほぼ完成しました。それと真正面から否定するハイテク技術を使った政治運動の形です。
 リーダーがいないから、リーダーを抑えればデモが沈静化するわけではありません。いつ何処でデモが起こるか予想もできません。
 
 今(9/24)現在、その発端になった逃亡犯条例が完全に撤回されたわけではありません。行政長官は撤回する事を議会に乗せると言っただけです。議会が開かれたら親中派の議会は、それを拒否し、条例を成立させるでしょう。世界のマスコミは間違った報道をしているのです。
 
 そうなると尚更、アメリカで審理されている、香港の民主主義政治擁護の法案の成立が待たれます。香港の民主主義を阻害した個人や組織にアメリカ政府は懲罰を与えることが出来ますし、大統領が交代しても、アメリカ政府の態度が変わらなくなります。(10/17のニュースで下院法案可決しました、上院も程なく可決されるでしょう。)
 
 小さな島香港が150倍以上の人口を持つ中国と、五分の戦いをし、中国政府を翻弄し続けているのです。中国政府の不手際は、台湾の中国離れを引き起こしました。
 
 なんとも歯がゆい日本政府
 香港のデモに関して、日本政府は中途半端な発言しかしていません。それは、米中貿易戦争の漁夫の利があるからです。新たな冷戦とは見ていない。中国が今すべきことは、国内改革です。共産党の支配体制では無理があります。共産党を早く滅亡させる事が、中国にとり最も有益な事です。
 日本の中途半端な態度は共産党体制を存続させ、中国国民にも東アジア全体にも、決していいことではありません。
 
 香港の最高裁の判事は外国籍
 僕も今まで知らなかったが、裁判長は中国籍だが外国籍の判事の方が多い。デモの傷害を裁くと警官の方に重い判決が出てしまう。返還時のイギリスとの合意でそうなった。返還時香港を窓口に西側諸国からの投資を必要としていた中国は、西側諸国の企業が香港で不利にならないことをアピールする必要があったからです。
 
 それ故犯罪者を中国本土に連れて行き裁くことの出来る法律の制定で、民主化の活動家を捕まえる抜け道を造ろうとしたのです。ゆくゆくは一国二制度を実質的な一国一制度に変えてゆこうとしたのです。
見事なジャンプ
 アフリカ豚コレラ
 今年の初め大きな社会問題になると思ったのですが、ズバリ当たりました。国慶節に向け豚肉が高騰しています。おそらく来年の春節に向け益々深刻化するものと思われます。
 豚肉は中国人にとりなくてはならない食材です。それが不足することは、何より社会に与える心理的影響は計り知れません。
 
 こうなったのは一重に初期対応のまずさです。情報が硬直化し、官民一体の対策が後手、後手に回ったからです。中国社会がいかに硬直しているかの証拠です。
 香港のデモ対応ととても似ています。六月時点で法案を撤回すると表明していたら、デモはそれ以上拡大せず収束に向かっていたのです。
 社会が硬直化している故に問題が起こり拡大するのです。
 
 韓国の反日運動について
 僕は、ついつい台湾と比較してしまいます。日本による台湾統治、朝鮮半島統治、その政策内容には大きな違いはありません。慰安婦や徴用工と言われるものも、おんなじです。創氏改名もおんなじです。
 なのに未だに反日が前面に出る国と出ない国に分かれてしまいました。それは日本の統治政策の原因というより、現政権の受け止め方の違いということです。
 
 台湾は中国人が移住し、先住民との新しい国です。日本と戦った国民党が政権を取り、日本批判が根深くても言いものなのに、ほとんど聞かれず、統治時代を礼讃するところもあります。
 それに反して、朝鮮半島は長い伝統があり、歴史的に、日本が先進国として手本にした国です。それ故、プライドが高く、日本人が傷つけた。ということは確かです。しかしそのプライドの高さこそが、近代化を遅らせ弱い国してしまったということも、事実なのです。
 時代は激しく変化変容しているのです。過去に囚われることは、新たな変化に遅れるということです。もう反日を前面出す時期は終わりです。
 
 僕には過去の日本政府を告発しようとする友達もいます。日本人としての謝罪意識も、韓国が貧しい国、弱い時代なら大切ですが、これからはマイナス面の方大きいと思います。やるなら日本がより良い社会にする為、韓国のために検証する必要はありません。
 
 中国経済は大きな低迷期に入ろうとしています。共産党の本来の正当性は失われ、富裕層、検疫保持者の利権団体に堕落してしまいました。いずれ大きな変革を迫られることになると思います。そして、台湾は中国の変革期の大きな選択肢として浮上するのではないかと、僕は睨んでいます。
秋の空、青海
 左派政権
 日本で民主党が政権を取った時、四年間は政権維持に全力を尽くし、極力自分達の理想論は控えるべき。と念じていた。その願いは予想通り裏切られた。
 国家機関、政府は日本最大の組織です。官僚といっても様々な考えを持った人がいます。左派は政権を担当したことがないわけで、この巨大な組織に関しては全くの素人です。素人に指図され、役人達は動きません。四年間の見習い期間があれば、巨大組織の動かし方が分かります。
 役人達も千差万別、自分達と意見の近い人々と意見交換をして、実現可能な政策に煮詰めて行くには時間が必要なのです。
 
 韓国の文政権に同じことが起こっています。大統領の権限が強い分、より過激です。自分の意見と違った命令を受けた官僚は、サボタージュを始めます。まともに仕事しないわけです。大統領府が、左派の活動家、行政の未経験者で埋められ、他の国家機関と乖離しているのです。
 国民から見捨てられ始めた文政権は、これから下降の一途を辿るでしょう。彼等が掲げた反日政策は、今がピークです。実際の力はドンドンと失われて行きます。
 
 鋭く日本と対立したお陰でしょう。韓国ないに、左派でも保守でもない層が生まれ始めています。今まで反日政策を自己批判し、新たな模索です。若者は感覚的にそれを理解しています。なので、僕は対立も悪くはない。と思っています。
 

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