思い出すまま - No136 /  prev top next

 民主党
 他に支持する政党がないから、未だに支持を崩さないのですが、相変わらずだめな政党です。野田政権が内閣改造したけど、女の閣僚が一人じゃ寂しい。女の政治家が育っていないというのが現実なのですが、福祉や子育て重点を置くなら、女性が中心にならないとだめです。男は女にはなれないのです。家計を切り盛りしているのは女です。だから国も女が中心にならないとだめなんです。
 後ね、若い人です。年取った男は裏方に回るべき、政治はそうなっていない。「男女雇用均等法」じゃなく、「女・若者優先法」が出来て丁度バランスがとれます。二十代にしても、三十代にしても、おぼつかなさはありますが、年寄りに比べ謙虚さや真面目さはあります。間違いを修正する能力があるのです。
 四十、五十代が中心になり、他の世代は裏方に回るのが一番バランスが良い。政党もそうであるべきです。
 民主党が政権を取って、今まで野党で権力を持つことの責任感で萎縮していることは認めます。女と若者を忘れたら政党の存在基盤が失われます。
 
 内閣改造で田中直紀防衛大臣を起用したことが面白い。全くの素人、その素人ぶりが国会で追及されています。ただ、普天間の問題も辺野古の問題も専門家が解決できると言うことではありません。そこにあるのは沖縄の住民感情と国との隔たりです。彼のように耐えることの出来る人、低姿勢さが国最も必要なのです。特に防衛関係の役人には。そういう意味では適任かもしれません。防衛の専門家はたくさん居ます。専門的なことは彼らがやればいい。ひょとしたら良い仕事を彼はするかもしれない。米軍の再編が始まっています。普天間も辺野古も振り出しに戻してみたら、新しい方向性が出てくるかもしれません。普天間の代わりに辺野古が必要と思い込んで来たのは日本政府だけかもしれません。別の方向性の必要な政治判断は首相すればいいのでね。
 彼はねじれた基地問題を考え直す緩衝役に徹するべきです。それが今一番必要なことかもしれないからです。あれだけ人が良さは凄い、尊敬しますよね、田中直紀さんは。
 
 橋下新党
 個人のキャラクターによることが大き過ぎる、と言うことです。大阪を活性化することに関しては良いんじゃないですか。政治は変わり続けると言うことです。固定化するので利権も固定化され、組織の活性化もも失われます。壊すものは壊せばいいし、ドンドン変えればいい。十年、二十年経ち、結果的に間違っていたら直せばいい。これによって地方が活生化し、日本全体が活性化する事が大切。
 気になるのは発想が右派的な所、右派的な方が破壊力はあるので少し大目には見ているが、新しい継続的なもの作るとなるとどうですかね、彼にそこまでの力ありますかね。僕はかなり疑問を持っていますが、淀んだもの一掃するのが今は一番大切。
 
 民主党が政権を取った時点で、僕の期待の半分は実現した。政治は変わり続けることが大切なのです。立場が違えば意見が対立します。いろいろな考えが出てくるのは当然です。戦後の経済成長を支えてきた政治のシステムが変わると言うことです。中央政権の官僚システムが変わると言うことです。
 自民党政権が膨らませた赤字財政を民主党政権が抜本的に解消できるとは、僕は思わない。民主党じゃ無理だろと思います。でも、これからすべき方向性は鮮明に出て来たことは確かです。
 民主党の陥っているジレンマ、鳩山、菅政権の失敗で衆参のねじれで、思い切った政策変更が出来てこなかった事もありますが、大政党になってしまったが故のジレンマ大きいのです。多くの圧力団体を抱えることになつたが故、思い切ったことが出なくなり、自民党化したと言うことです。
 日本の構造改革が進めば良いのです。維新の会はこれ以上大きくならない方が、大阪だけでやっていた方が、その戦闘力失わずに済むような気がします。安易に国政に手を伸ばしたり、国政の実験を取ろうと大政党化すれば、戦闘力は失われてゆくような気がします。
 
 
 ユーロ安、そして日本
 ヨーロッパは日本から遠いんでしょうね、何故これ程まで財政不安が長引くのか感覚的に分からない。アメリカの金融危機の煽りで、サブクライムローンという一分野が金融全体に及んだアメリカの危機と同じ構造です。イタリアの財政がギリシャのようになれば、リーマンショック以上の衝撃になるので、心配します。
  財政危機は日本の方が桁違いに大きい。国債を国内で消化しているだけで一度信用を落とせば、不安が不安を呼び巨大な危機となる。日本がそうなったら、リーマンショック以上の危機になることは確かです。
 それだけでなく、地震や原発事故なのに円が買われるのも分からない。不安材料がアメリカやヨーロッパより小さいと思われているわけだが、そのへんが分からない。でも、今円高を背景に日本の企業買収がバブル期の五倍に及んでいるという。銀行や業績の良い会社は外国企業を買い漁っている。バブル期と違うのは、美術品や土地買収が中心だったが、今回は企業買収が中心、成金主義は卒業したらしい。だから外国から見たら日本安定していると見えるのだろう。
 中国やインド、南米、東南アジアの成長し、サイドからヨーロッパの危機を支えています。大きくなったが、まだまだ世界経済のリーダーになるのには、経済の質は弱いのです。まだまだ、ヨーロッパが世界を引っ張ってゆかないといけないのです。今年は財政危機から脱出して欲しい。
 
 円高に歯止め
 二月に入り、日銀が重要な決定をした。いっそうの金融緩和とインフレ誘導です。それを境に対円、ユーロ安は止まっり、ドルに対しても円安に傾き、株価も一斉に上昇に転じた。
 金融の不思議で面白いところは、マインドなんです。人間の心がその底にあるのです。不安が不安を生み危機を招くが、ほんの少しの希望が大きく未来を照らすのも然りなのです。不安材料は出尽くしたのです。後は登るだけだと思います。
 
 
 清盛・西行 そして武士の社会
 NHKの大河ドラマ面白いので見ています。北面の武士として清盛と同期の佐藤義清のりきよ、後の西行がもう出てきましたね。彼は恋愛事件後出家して、歌人の道を歩いた。藤原の武家です。武士と言っても、古代の大判氏なんかも朝廷に武士として使える家系ですが、歌人詩人を多く出しています。源平合戦の中、西行は政治的には中立を崩しませんでした。でも源氏嫌いは有名な話です。
 
 この辺から日本の社会も朝鮮半島や中国と違った社会に構造変化してくるんです。武士と言っても平氏や源氏は中央の中流の貴族です。武士の時代といった時、彼らに従った地方の新興の豪族=武士のことを言うのです。新興の武士は元々農民です。地方の豪族の分家だったりしたものが、関東では土地を開墾したりして勢力を伸ばした者達です。西日本では大貴族や神社仏閣に土地を寄進し、荘官として、農民のリーダーになった人達なのです。だから武士と農民は同じ、切っても切れない関係だったのです。信長が武士を城下町に集め、軍事、行政の専門家として農民と分離するまで、彼らは村に拠点を置きそこから離れようとしなかった。
 
 中世の武士の社会は古代の貴族が没落して、武士が台頭するという事です。同時に古代の身分制も崩壊し一般農民の地位も上がった。そして、古代に奴卑と言われた階層が一般農民化したのです。更に戦国時代に更にかき混ぜられ、身分的には均一な社会になったのです。
 武士の社会ですから領地争いとか、下克上と戦争が多いのですが、社会が混ぜられ、活性化したと言うことです。その中から工業や商業が生まれ、身分制もかき混ぜられ、中国や朝鮮半島に比べ均一な社会が出来たと思います。近代化の中で身分制が大きな障害になったことを考えると、武士の時代の混乱は大きいのだと思います。
 フランス革命が起こるまでヨーロッパでは庶民は名字を持たなかったし、文盲率も高かった。日本は戦国時代には、七割の人は屋号や名字を持っていた。三割ぐらいの人は読み書きが出来た。明治以降の急速な近代化の背景には、平安時代末期からの長い社会変化、農民社会の成長があるんです。けして遅れた社会ではなかったのです。
 日本の革命は地方からです。清盛は西国の武士団を背景にしていた。鎌倉幕府は関東武士団が中心です。信長、秀吉、家康は尾張三河です。明治維新は薩摩長州です。今だって地方の力が強くなることが大切です。
 
 
 田中トシ公演 美学校
 1/15、田中トシが公演をやるとメールが入っていたので、美学校に15日の日曜日顔を出してきました。今回は長男を連れてきていました。彼はボイスパフォーマンス。声を音階の出る楽器としてではなく、ひとつの発生器として使い、それを中心に竹や鈴、体全体で表現する、前衛的なパフォーマンスです。締まった一時間半でした。日本にいる時からの筋を通しているは偉い。
 
 
 
 
 寒がり
 上野原にいる時は東京に仕事に来ると寒さを感じたことはなかった。平均で福生と比べ二度から三、四度温度が低い。セーター一枚の違いである。都心はもっと温度の違いが出る。少し動くと汗をかく。すっかり福生の温度になれてしまったら、以前は寒く感じなかった温度が寒くて仕方がない。衣類を一枚多く着込むので、動きが悪くなる。
 多分に寒さも気分の問題が多い。今年は大寒以降も二月二十日頃まで寒かったので、やだやだという気持ちが、ますます寒がりに感じた気がする。
 小さな頃思い出す。僕は寒がりで、囲炉裏があり僕は頑として囲炉裏の周りを離れようとしなかった。おばあちゃんや親たちに「子供は外で遊ぶべき」と言われても、じいさまやばあさまのように色の火の周りに座り続けていた。それが僕の地の姿なんだよ、妙に納得してしまった今年の冬です。
 
 
 
 
 震災からはや一年
 早いと言えば早いし、長かったと思えば長い。地震だけで無く、原発事故の強烈なダブルパンチの一年でした。みんな凄い体験したんです。千年に一度の、誰でも体験したくても出来ることではありません。
 かっての関東大震災によって、日本は大きく変わりました。今回もまだ見えて来ませんが、この震災と事故が日本の変化を加速させるのだと思います。変わるなら是非良い形と願いたいものです。
 その一つは、脱原発です。これだけはやって欲しい。エネルギーシステム改革です。これから五年、その為の制度設計する時期です。
 この負の体験を活かして、初めて、多くの犠牲が報われると言うことです。

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