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高松の この峰も狭に 笠立てて
満ちさかりたる 秋の香のよさ 万葉集 作者不明
松茸の 山かきわくる 匂ひかな 支考
まつ茸や しらぬ木の葉の へばりつく
松茸や かぶれた程は 松の形 芭蕉
取り敢えず 松茸飯を焚くとせん
松茸の 香りも人によりてこそ 高浜虚子
松茸は、万葉の時代には「茸(たけ)」と呼ばれていたようです。また、和歌においては「秋香」「秋の香」(あきのか)と呼ぶこともあったようです。
寛弘二年(1005年)ごろに成立した『拾遺和歌集』の巻第七「物名」にある、「あしひきの 山下水に 濡れにけり その火まづたけ 衣あぶらん」という歌が、「まつたけ」という語の初出であるとされてます。
まつたけ 〔まつたけ科〕
Tricholoma Matsutake Sing. (=Armillaria edodes Berk.;A.Matsutake S.Ito et Imai)
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秋,赤松の林地上に多く発生する。時としてエゾマツ,シラビン,ツガ等の林にも生ずることがある。傘は初めは半球状,次第に開いて突円形となり,総に厢平に開く。ひだは終りまで白色である。傘が充分開かないあいだは,傘の下面に綿毛状の膜があり,傘の端と柄の上部をつらぬいている。この膜は後に支れて,一部は不明瞭なつばとなって柄に残り,一部は傘の周辺に付いて残る。の良いことと,芳香を有するため,本邦で最も好まれる食用菌である。
-牧野植物図鑑- |
今回は松茸を取り上げました。万葉集に一首だけのっています。当時も山の幸、キノコはたくさん食べていたでしょう。そこで香りの良い松茸は、当時も特別だったのでしょうね。
現在、キノコなどの菌類は動物でも植物でなく別なジャンルに分けられています。葉緑素を持た植物や動物を分解することにより、エネルギーを得ています。彼らがいてはじめて土ができるのです。 (ま)
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