prev
home
next
うまさうに見れば彼岸の燒茄子 後の彼岸
からぐろの黒からず茄子の濃紫
どれ見てもうれし小茄子大茄子 正岡子規
いとしとも茄子は花咲く藪畑 山口青邨
ふるさとや支へ木しかと茄子実り 鈴木真砂女
山畑や茄子笑み割るゝ秋の風 村上鬼城
星とぶや小菜園に茄子太り 中村汀女
夏に採れる野菜なので「夏実(なつみ)」、それがしだいに変化して「なすび」、それが省略されて「なす」になった。
また、「梨実(なしみ)」が変化したもの、ともいわれる。
ことわざ
「親の意見と茄子の花は千に一つも無駄がない」
(茄子は、実を結ばないような無駄な花はない。= 全て有効である、の意)
「瓜(うり)のつるに茄子はならぬ」
”トンビが鷹を生む”と同じ意味。親子関係を表わすことわざ。実際にはありえないこと。
薬効 ねんざ、はれもの
薬用部位 実、へた、茎
お盆の頃に、道の軒先などで「精霊馬(しょうりょううま)」です。
ご先祖様が乗る「馬」はキュウリで荷を引かせる「牛」はナス。
茄 子 (な す) Solanum melongena L. 〔なす科科〕
|
インド原産といわれ、熱帯から温帯に広く栽培され、普通一年草として畑に作られるが、熱帯では多年草である。茎は枝わかれして高さ60~100cm、灰色の綿毛がはえ、ときに少数の刺がある。葉は互生し大形でややゆがんだ形の卵状惰円形で長さ15~35cmとなり、先は鋭形または鈍形、基部は左右の形がややことなり、柄をもつ、へりは全縁で波状となっている。夏から秋にかけて、節間の途中に短かい花枝をだし、少数の紫色の花を開く。がくは普通紫色て5裂し、裂片はとがる。花冠は浅い盃状で径3cmはどあり、先は浅く5裂して平に開く。雄しべは5本で黄色いやくをもち、頂端に孔があって花粉をだす。花枝に数個の花がついても普通基部の1個以外は実を結ばないが、インドフサナリのような品種はすべての花が実を結んで果実は房になってつく。果実は液質大形で品種によって形はさまざまであり、普通暗紫色である。果実の緑色のものをアオナストいい、ナガナスは果実細長く、タマゴナスは果実が白く鑑賞用とされる。
〔漢名〕茄。ナスの名もそれから由来し恐らく茄于からきたものであろう。
-牧野植物図鑑- |
このコーナーは万葉集と牧野図鑑のメインに構成しています。取り上げていない万葉の草花も少なくなり、探すのに苦労しています。ナスは奈良時代渡来ですので、万葉集にはありません。またその後の和歌にも見つからなかったので、俳句のみとなりました。
さてと、牧野富太郎先生が、来年のNHKの朝ドラになるそうです。「日本の植物学の父」と言われていますが、僕に言わせたは神様です。今の学者の常識遥かに超えた、とんでもない人です。凄い人です。 (ま)
prev
home
next