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打ち麻を、麻続をみのの王おほきみ、海人なれや、
  伊良虞
いらごの島の、玉藻刈ります      
万葉集 作者不明


むしぶすま 柔なごやが下に 臥せれども
  妹
いもとし寝ねば 肌し寒しも    藤原朝臣麻呂  
万葉集
                       (むし = からむし)


夏麻なつそ引く 海上潟うなかみがたの 沖つ洲に
  鳥は、すだけど 君は音もせず         
万葉集 作者不明











 麻(あさ)は、植物表皮の内側にある柔繊維または、葉茎などから採取される繊維の総称。狭義の麻(大麻、Cannabis sativa)と、苧麻(からむし)の繊維は、日本では広義に麻と呼ばれ、和装の麻織物(麻布)として古くから重宝されてきた。狭義の麻は、神道では重要な繊維であり様々な用途で使われる。麻袋、麻縄、麻紙などの原料ともなる。
 苧麻の繊維である「ラミー」や、亜麻から作られる繊維の「リネン」で、日本では夏用の衣料に適している。狭義の麻(大麻)の繊維であるヘンプは、冬用の布としても2010年代に復元されており、乾きやすさと共に保温性もある。








 麻は、縄文時代から第二次世界大戦前まで誰でも自由に栽培することができた農作物でです。
 現在、栽培には、都道府県知事が許可する大麻取扱者免許が必要であり、農業者が取得する「栽培者免許」及び大学や麻薬取締関係者が取得する「研究者免許」の2種類あります。免許の有効期限は、1月1日から12月31日で毎年更新する必要で、大変厳しい制約があります。










  (あ  さ)    Cannabis sativa L.    〔くわ科〕


 古代に我国に入り、今は一般に畠で栽培されているが、元来は多分南アジアや中央アジア原産の1年生草本で、アサを植えた畠に近ずくとこの草から発散する悪臭を感じる。茎はまっすぐに直立し、高さ1~2.5mぐらい、鈍四稜形で細 毛があり緑色である。葉には長い柄があって対生し、枝先の葉は互生で、掌状 複葉5~9裂し、裂片は皮針形で両端は尖り葉のふちにはそろったきょ歯があり上面はざらつき、裏面は細毛が密生する。上部の葉には短い柄があり3裂あるいは分裂しない。托葉は離生し皮針形である夏に開花し、雌雄異株で、おすの株を漢名で麻、めすの株を直麻というおすの花穂は円錐形で、おばなは淡黄緑色、がく片5個、おしべ5個、やくは大形で黄色、たれ下がり、花 粉が多い、めすの花穂は緑色の短い穂状で、細長い包が多く、めばなは1個の包につつまれていて花被はなく、2花柱の子房が1個あるそう果は卵円形、やや平扁,硬質, 灰色。茎皮の繊維を衣類にしたり、麻糸にする。皮をはいだ残部はあさがらと呼び、種子を食用とする。
 〔日本名〕青麻すなわちアオソの省略で、多少緑色をおびた皮の繊維すなわちソから出た名である。〔漢名] 大麻。
-牧野植物図鑑-









 マリアナ、大麻が非合法になったのは、GHQが禁止してからです。それまでは日本人に、麻薬という認識はありませんでした。古来から麻は繊維を取る大切な植物です。そして気持ちを落ち着かせる薬でした。非合法になった故に、隠れて使うようになったのです。    (ま)


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