つづらふじ [つづらふじ科] (あおかずら、あおつづら、たのはかずら、おおつづらふじ) Sinomenium diversifolium Diels(=S. acutum Rehd. et Wils.) |
山地の林中にはえる落葉性木本のつるで、茎は長くのび,木質で硬く、生時は緑色でなめらかな円柱形であるけれども、枯れると暗色となり,細い縦すじが現われる。茎の基部はしばしば肥大となり、また主茎も大形になることがある。また株の根本から細長い飼枝を出して地上をはい遠くまでのびる。葉は互生で長い柄があり、平円形、広卵形,掌状多角形あるいは掌状多浅裂などで,基部は心臓形、普通無毛であるが、若葉の裏には若い枝と同様に毛がある.夏に長い柄を頂生し,あるいは脳生して、淡緑色の細花をつけ、円錐花序をつくる。雌雄異株.花はがく片、花弁ともに6個で,がく片の外側には毛がある。おばなにはおしべが9~12個 ある.めばなは3個の仮雄ずいと3個の心皮があり、花柱はそり反り、柱頭は分裂していない。花がすむと黒色球形の核果が実り、核は肩半月形で、背部には横にうね状の突起がある。本種から「シノメニン」という薬品を作り、また個飼茎を種々に用いるので、ツヅラという名で売られている。
[日本名]ツヅラフジのツヅラはつるの意味でカズラと同じである。一名をアオカズラ、アオツヅラともいうが、ともにつるが生時は緑色(枯れると黒色)であるからで、このつるで編んだかごをつずらと呼ぶ、またこれは葛(つづらこ)を略した呼び名である。また、一名オオツヅラフジともいう。またツタノハカズラともいうが、葉がツタに似ているからである。[漢名]漢防己は別物である。 -牧野植物図鑑- |