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出雲建いづもたけるが 佩ける大刀たち
  葛
つづらさは纏まき さ身無しにあはれ  古事記 倭建命


おし辺へに生
ふる、浜つづら、
  汝
いましを頼み、母に違たがひぬ      万葉集 作者不明

上つ毛野
かみつけの、阿蘇山あそやまつづら、野を広み、
  延
ひにしものを、何あぜか絶えせむ    万葉集 作者不明


山がつの かきほにはへる あをつづら
  人はくれども ことづてもなし      
古今集 作者不明

夏引きの 手引きの糸を くりかへし
  ことしげくとも 絶えむと思ふな     
古今集 作者不明






学名: Sinomenium acutum
Sinomenium : ツヅラフジ属 acutum : 鋭い形の意。

Sinomenium は、「Sina(支那)+ menis(半月)」。中国産で、実の核の部分が半月形であることから。



  



・薬効  関節痛、神経痛、利尿
・薬用部位 茎、根
・生薬名 「漢防已(かんぼうい)」
     「防已(ぼうい)」



  




つづらふじ            [つづらふじ科]
(あおかずら、あおつづら、たのはかずら、おおつづらふじ)
Sinomenium diversifolium Diels(=S. acutum Rehd. et Wils.)
 山地の林中にはえる落葉性木本のつるで、茎は長くのび,木質で硬く、生時は緑色でなめらかな円柱形であるけれども、枯れると暗色となり,細い縦すじが現われる。茎の基部はしばしば肥大となり、また主茎も大形になることがある。また株の根本から細長い飼枝を出して地上をはい遠くまでのびる。葉は互生で長い柄があり、平円形、広卵形,掌状多角形あるいは掌状多浅裂などで,基部は心臓形、普通無毛であるが、若葉の裏には若い枝と同様に毛がある.夏に長い柄を頂生し,あるいは脳生して、淡緑色の細花をつけ、円錐花序をつくる。雌雄異株.花はがく片、花弁ともに6個で,がく片の外側には毛がある。おばなにはおしべが9~12個 ある.めばなは3個の仮雄ずいと3個の心皮があり、花柱はそり反り、柱頭は分裂していない。花がすむと黒色球形の核果が実り、核は肩半月形で、背部には横にうね状の突起がある。本種から「シノメニン」という薬品を作り、また個飼茎を種々に用いるので、ツヅラという名で売られている。
 [日本名]ツヅラフジのツヅラはつるの意味でカズラと同じである。一名をアオカズラ、アオツヅラともいうが、ともにつるが生時は緑色(枯れると黒色)であるからで、このつるで編んだかごをつずらと呼ぶ、またこれは葛(つづらこ)を略した呼び名である。また、一名オオツヅラフジともいう。またツタノハカズラともいうが、葉がツタに似ているからである。[漢名]漢防己は別物である。
-牧野植物図鑑-






  今回はツヅラです。地味な存在で記載が遅くなりました。昔のロープですね。麻などが衣類以外に使うには贅沢であった時代ですね。ツヅラはこれで編んだ、籠ですね。良く昔話に出てきますね。ツヅラ行李とかです。  (ま)





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