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ぬばたまの 夜の更けゆけば 久木ひさぎ生ふる
  清き川原に 千鳥しば鳴く    万葉集 山部赤人


ぬばたまの 夜さり来れば 巻向
まきむく
  川音
かはと高しも 嵐かも疾とき  万葉集 柿本人麻呂


あかねさす 昼は物思もひ ぬばたまの
  夜はすがらに 哭
にみし泣かゆ    万葉集



ぬばたまの、夜霧
よぎりは立ちぬ、衣手ころもでの、
  高屋
たかやの上に、たなびくまでに
            万葉集 舎人皇子
とねりのみこ



 



 名前の「檜扇」は、ヒノキの薄い板を(右上 ↑)
とじあわせた扇に似ていることからきている。






 タネは黒色で、「射干玉(ぬばたま)」または、「烏羽玉(うばたま)」という。
この射干玉の「射干」の音読みから「ヤカン」とも呼ばれる。







 根茎部は漢方薬。消炎・解毒などに用いられ、 扁桃腺炎や去痰にいいそうです。






 花言葉 : 個性美・誠実・誠意。




ひおおぎ   (からすおおぎ)
Belamcanda chinensis DC.     〔あやめ科〕
 山地の原野にはえる多年生草本で直立し高さ50~100cm位。観賞用としても栽培される。根茎は短かく、つる枝を出す。茎は緑色、下半は扇形に並んだ2列の緑葉をつけ、槍は花序になる.葉は平らな広剣形で多少白っぽい、夏に茎が何度もまばらに枝分れし、技端に有柄の数花を着け、下部はへら状包葉4~5片に包まれる。花は径5~6 cm, 黄赤色で内面に濃い暗紅点がたくさんある。
 花被6片は水平に開き,楕円状へら形で鈍頭鋭脚、花被筒はごく短かい。雄しべ3個は糸状で長術を持ち、めしべを囲んで立つ。花柱は上部がしだいに拡大し、横に傾斜する。下位子房は楕円形で緑色。さく果は長さ2.5~3cmのふくらんだ倒卵状楕円体で、光沢ある黒色の球形種子が入っている。園芸品に花の赤いベニヒオウギ黄色のキヒオウギ矯生でずんぐりしたダルマヒオウギがある。
 [日本名]槍扇はその葉が槍扇形であるため、カラスオオギ鳥扇はその葉が槍 扇のごとく、その種子黒色のゆえにいう。またこの黒い種子をヌバ玉またはウ バ玉と呼ぶ。[漢名]射于。
-牧野植物図鑑-



 




 今回は葉っぱが檜で作った扇に似ているので、そのまま「ひおうぎ」と名付けられた夏の花です。日本原産で花も派手なのに、僕は馴染みが薄く、ここに載せるのが遅くなってしまいました。
 万葉集にはたくさん読まれています。これも驚きでした。(ま)


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