さねかずら
Kadsura japonica Dunal
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各地の山地にはえ、また時には庭樹として植えられる常緑のつる性木本である。古い茎の径は約2cmぐらいになり、褐色で柔軟な厚いコルク質の外皮を持ち、枝はその皮に粘液を含んでいる.葉は有柄で互生し,葉質は軟厚で表面に光沢があり、裏面はしばしば紫色を帯びている.夏の頃, 淡黄白色の花が葉肢につき、花柄によって垂れ下がる.花径約1.5cmである。雌雄異株.花被片は9~15個で、花弁とがく片との区別はあきらかでない.おしべ, めしべともに多数集って小球状をしている. 液果は径約5mmぐらいの小球形となり、ふくらんで乗状となった花托のまわりにつき,秋になると花托と共に紅く熟す。
〔日本名〕実葛は、多分、果実の時に美くし目立つからであると思う. また一説にサネカズラは古名のサナカズラの音転で、サナカズラは滑り葛(ナメリカ ズラ)の意味、この坊は発語で、ナは滑(なめ)のナだという.美男葛は枝の皮の粘汁を水に浸出じてその液で頭髪をととのえたからである。 〔漢名〕南五味子は本種とは異る。 -牧野植物図鑑- |