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石上いそのかみ、布留ふるの早稲田わさだを、秀でずとも、
  縄
なはだに延へよ、守りつつ居らむ    万葉集 作者不明


雲隠
くもがくり、鳴くなる雁の、行きて居む、
  秋田
あきたの穂立ほたち、繁しげくし思ほゆ  万葉集 大伴家持


石上
いそのかみ、布留ふるの早稲田わさだの、穂には出でず、
 心のうちに、恋
ふるこのころ  万葉集 抜氣大首ぬきけのおほびと


住吉
すみのえの 岸を田に墾り 蒔きし稲
  さて刈るまでに あはぬ君かも       
万葉集 作者不明


夕暮は み山おろしに わが宿の
  門田のいねの 花ぞなみよる
          夫木
ふぼく和歌抄 後久我ごこが太政大臣




  

いねの花




────── 古 代 米 ──────



─── 古代米の 栄養 ───





─── 赤  米 (古代米) ───

  




 い ね  Oryza sativa L.  〔いね科〕
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 インドマレー辺の原産といわれ、古く日本に伝わった一年草である。株となり、茎は高さ50~100cm、数節があり、葉を互生する。葉は広い線形、先は次第に尖り、長さは30cm、幅は3~5mm、質はやや硬く、表面と縁はざらつき、葉舌は茎円状の皮針形で2裂する。花序は円錐形で、開花時には直立して細いが果時には垂れた「いなぼ」となる。小穂は多数、細長い花序の枝に短かい小柄をもって互生し、1花からなる。包穎2片は退化。護頴と内穎がいわゆる「もみがら」である。護頴は大形の長楕円形、長さは6mm位、左右から扁平のため深い舟形となり、普通全面にあらく短かい毛があり、芒は短かくまたは長く、ときに全く欠く。内頴はやはり舟形で護頴とほぼ同長。雄しべは6本、茎をわらとして用いる。ウルチネ、モチイネの2種があり、また畠に作る品種をオカボという。穂の短かい矮生品(コビトイネ)、全体暗紫色のムラサキイネ等品種が大変多い。
 〔漢名〕稻。
-牧野植物図鑑-



─── 紫  米 (古代米) ───




 秋の身近な植物、お米忘れていましたね。日本はお米の国ですから、書くことは山ほどあります。万葉集と牧野先生の解説と古代米など取り上げて、おさらいしておきましょうか。
 最近の研究では、お米は中国の雲南省が原産でだそうです。牧野先生の時代から時間が経ち、格段に細かく分析することができるようになりました。そして、ひとつは東南アジアを南下し、その土地の野生種と交配して、インディカ種が生まれました。一方北上したものがジャポニカ種になったわけです。
 野生のお米は成熟すると種が直ぐに落ちてしまいます。長く稲穂に着いて落ちない。それが人間の食料として定着するかための、気の遠くなる時間をかけた、人間の手による最初の品種改良だった訳です。   (ま)



─── 黒  米 (古代米) ───

  



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