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池水に 影さへ見えて 咲きにほう
  あしびの花を 袖に扱入
こきれな   
万葉集 大伴家持


磯の上に 生ふるあしびを 手折らめど
 見すべき君が ありといはなくに
万葉集 大来皇女おおくのひめみこ


わが背子に わが恋ふらくは 奥山の
     あしびの花の 今盛りなり     
万葉集 作者不明


河蝦
かわず鳴く 吉野の川の 瀧の上の
     馬酔木の花ぞ 末
はしに置くなゆめ  
万葉集 作者不明


馬酔木折つて 髪に翳せば 昔めき
花馬酔木 春日の巫女の 袖ふれぬ        高浜虚子



 




花言葉

「犠牲」「二人で旅をしよう」「清純な心」



アセビ誕生花

3月9日




 花言葉の由来

 アセビは英語で「Japanese andromeda(日本のアンドロメダ)」と呼ばれます。ギリシア神話に登場するエチオピアの王女アンドロメダは、国を救うために怪物の生け贄になりましたが、英雄ペルセウスに救われてその妻になりました。

 花言葉の「犠牲」「献身」は、このギリシア神話に由来するともいわれます。




 





  あ せ び (あせぼ)    Pieris japonica D. Don   〔つつじ科〕
 本州、四国、九州の乾燥した山地にはえる常緑低木で、分枝多く、高さは1.5 ~3mになる。新枝は緑色.葉は密に互生し、広倒皮針形で長さ3~8cm、幅1~2 cm,先はとがり、ふちには鈍頭の細かいきょ歯があり、革質で毛はない。早春枝の先に複総状花序を下垂し、多数の白色でつぼ状の花を開く。がくは5裂し、裂片は広皮針形である。花冠は長さ6~8mm、先は短かく5裂する。雄しぺは10本、やくは2本の剌状の突起をもつ。雌しぺは1本。果実は扁球形のさく果となり、径5~6mm,上向に花柄につく。有毒植物で、その葉を煎じ菜園の殺虫剤に用いる。また馬が葉を食ぺると苦しむといい、馬酔木ともいわれる。漢名として梫木を用いるが誤りである。
-牧野植物図鑑-








  馬酔木は(あしび)(あせび)とも発音します。掲載が遅れたのは、馴染みが薄かったからです。万葉集に多く詠まれ、その後読まれなくなり、明治に入り俳句で又読まれるようになる。時代の趣味の変化が面白いですね。  英語が「日本のアンドロメダ」アンドロメダの神話から花言葉が生まれた。これも調べて分かった。綺麗な花には棘や毒の持ったものが多い。これも自然の為せる技です。    (ま)

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