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昼は咲き、夜は恋ひ寝る、合歓木ねぶの花、
    君のみ見めや、戯奴
わけさへに見よ        紀女郎


我妹子
わぎもこが、形見の合歓木ねむは、
    花のみに、咲きてけだしく、実にならじかも   大伴家持


我妹子
わぎもこを、聞き都賀野辺つがのへの、しなひ合歓木ねぶ
    我れは忍びず、間なくし思へば          
作者: 不明


合歓咲く 七つ下りの 茶菓子売り           小林一茶


象潟
きさかたや 雨に西施せいしが ねぶの花    奥の細道 松尾芭蕉
      
(西施とは、中国の春秋時代の傾国の美女のこと。)









8月17日、 7月21日、 8月10日
の 誕生花



花言葉は

  歓喜 ・ 繊細 ・ 夢想 ・ 安らぎ
胸のときめき ・ 創造力








         異     名

漢語では合歓の他に、馬纓花、絨花樹、合昏、夜合、鳥絨などの異名がある。



日本語の方言語彙には次のようなものがある。

ねむたぎ、ねぶたぎ(眠た木):宮城県、山形県、福島県などの一部
ねふりのき(眠りの木):京都府の一部
ねむりこ(眠り子):大分県、宮崎県の一部
はまくわー(浜小):沖縄県石垣島





   ね む の き      (合歓の木)       〔まめ科〕
(ねぶのき, こうか, こうかぎ)  Albizzia Julibrissin.Dt,trazz  
 東北地方から南の二次林にはえる落葉高木で高さ6~9mになる。葉は有柄で互生し、大きくて長さ20~30cm、2回羽状複葉,羽片は7~12対、小葉は多数で36~58個,羽軸の両側に羽状に対生して規則正しく並び、長さ7~13mm, 基部のゆがんだ広皮針形。夏に小枝の頂から花柄を出し、散形状に紅色の花をつけ、日没前に開花する。がくは小形で筒状、花弁は合体し、上部だけが5片に分れ、長さはがくの3倍ぐらい。雄しべ、は多数、細い絲状で非常に長く、基部だけが不規則にゆ着し、紅色で美しい.さく果は長さ12cm内外、平たく真直で無毛。豆果の中に平たい種子がある。
〔日本名〕ネムノキは、小葉が夜間は閉じて睡眠するためである。コウカ、およびコウカギは漢名の合歓または合歓木から転訛した名である。 〔漢名〕合歓. 夜合樹ともいう。
-牧野植物図鑑-










 調べてみないと分からないものです。今まで「眠りの木」の意味合いしか知らなかった。漢字まで注意してみてこなかった。セックスの意味があったとは。古代はそちらの方の意味合いの方が強かった。夜になり葉っぱが閉じることを男女が重なると比喩した、古代人の想像力は素晴らしい。 (ま)





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