乱蘭通信１３２号・季節の植物　/　ひまわり

　北アメリカ原産の一年草だが各地で栽培される。茎は直立して高さ２ｍ内外になり、単一または上部で分枝し、葉とともに短剛毛がおおっている。葉は大形で互生し、長い葉柄があり、葉身は心臓形で先は鋭く長さ10～30 cm、へりにはあらいきょ歯がある。８～９月ごろ、茎およぴ枝の頂に大形の頭花を横向きに開く。しかし花茎は太くしっかりしているので、太陽の方に向いているとはいえ、太陽の進行につれて廻るというのは俗説の誤りである。頭花は8～30 cm、大形のものでは40～60 cmにもなり、周辺には鮮黄色の舌状花があり、中央には褐色または黄色の管状花が低い半球状に盛り上って密集している。花後多数の大きなそう果ができ、これから油をしぽり、また食用とする。花は観賞用にもされるが、ソ連などではむしろ油用に大々的に栽培される。

　〔日本名〕日廻りで黄で大きな頭花から太陽を連想し、日について廻ると誤認したための名。
　〔漢名〕向日葵。

　　季節の植物でこの花を忘れていました。ここまで強烈に若さや太陽を主張されると、何か逃げたくなります。陰のある草花やひっそり咲いている雑草の方が、何やら僕の気質にあっているからです。
　　今回調べていて新たなこと発見しました。古い映画「ひまわり」はソフィアローレン主演の反戦映画ですが、この舞台が旧ソ連のロシアやウクライナのひまわり畑でした。この地区はひまわり作付け世界一、二位なのです。原産地北アメリカと気候が似ている、という理由の他に、ギリシャ正教会の大斎の禁止食料を決めた時代にひまわりがなかったという、宗教上の理由が大きく影響しています。そして、ロシア、ウクライナに、主に食料油を摂る植物として広まったのです。　　　　（ま）