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ラベンダー Lavandula vera DC. 〔しそ科〕
シソ科の小低木。地中海沿岸地域の原産で、香料作物として栽培され、南フランスが主産地として名高い。高さ約60センチメートル、茎に白い軟毛が密生するため灰白色にみえる。葉は細く長さ約5センチメートル、幼茎では輪生、成長につれて対生となる。初夏に長さ30センチメートルの花茎を多数直立し、美しい紫色の唇形花を10個ほど輪生する。花は径約1センチメートル。植物体全体に芳香があり、花が開くころに刈り取り、蒸留法によって香油をとる。これをラベンダー油とよび、主成分は酢酸リナリルである。花だけからとるものがもっとも品質が優れる。
ローマ時代には入浴用の香水として用いられたので、ラテン語の「洗う」という意味のlavareがラベンダーの名のもとになった。現在も多く栽培され、化粧品の香料、香水に用いられる。薬用には神経痛などに用いられ、また軟膏(なんこう)や塗布剤の香料にも使われる。
日本へは江戸時代、文化(ぶんか)年間(1804~18)に渡来し、現在は北海道でおもに栽培されている。日当りのよい湿気のある土地でよく育つ。
-日本大百科全書(小学館)-
今回は牧野植物図鑑にない、お馴染みハーブです。日本に入って来たのは割と早いのですね。草じゃなく、木なんですね。でもすっかり日本の風景の一部になってしまいました。一般化したのは、ここ二十年ぐらいでしょう。高原のリゾート地に、ラベンダー畑が作られたのは。 (ま)
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