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忘れ草
ユリ科ワスレグサ属の多年草です。キスゲ、ノカンゾウ、ヤブカンゾウなどがあります。
野萱草(ノカンゾウ)
異名:お雛草(おひなぐさ)、人形草(にんぎょうそう)。ユリに似た黄褐色の花をつけ、
日中だけ咲く。野原に生ける萱草(かんぞう)という意味で野萱草という名がついた。
薬効:葉を煎じると膀胱炎に効果がある。
今回は忘れ草を代表して、野萱草を取り上げました。
忘れ草我が紐に付く、
香具山の古ふりにし里を忘れむがため
大伴旅人
忘れ草我が下紐に付けたれど、
醜しこの醜草しこくさ言ことにしありけり
大伴家持
意味: 忘れ草を下着の紐につけたけれど、忘れ草とは名ばかりで、ひどい草です。(少しもあなたのことを忘れられないのです。)
我が宿の軒のきにしだ草生ひたれど、
恋忘れ草見れどいまだ生ひず
柿本人麻呂
のかんぞう Hemerocallis longituba Miq. 〔ゆり科〕
原野や溝のそぱにはえる多年生草本であるが、地上部は毎年枯れる。根茎は短かく、枯葉の繊維に包まれ、下方に太い紐状の根を群がって出し、根は黄赤色で末端には時には多肉のかたまりがある。葉は2列になって束生し、上部は彎曲した広線形で幅2cm内外で主脈は溝になって凹んでいる。夏になると葉の間から花茎を出すが太くて強く、高さは70cm内外あって先は2分し、各技に上向きに花を着けて下から順に咲く。1日花で色は黄赤色で昼間だけ開き、径7cm内外ある。花被片は6個でほとんど同形で長楕円形、上部の方だけはそり返って巻き、内面にはきたない斑点があるが外面は淡色である。下部は集まって見かけ上の筒形になり一旦丸味を帯びて急にせぱまり、こんどは合着して長さ3~4cmの細長い筒となり、その末瑞は黄緑色で中に子房がある。雄しべは6個で糸状、雌しべと並んで立ち先瑞は斜上する。花の色の特に深い赤色のものをベニカンゾウまたはコウスゲと呼ぶ。
〔日本名〕野萱草。次種の萱草に似るが山野に野生するからである。
-牧野植物図鑑-
忘れ草
ユリ科ワスレグサ属の多年草です。キスゲ、ノカンゾウ、ヤブカンゾウなどがあります。中国の漢文には「忘憂草」として登場するため、日本では古くから「忘れ草」とよばれています。この花を持っていると、辛いことを忘れることができると言うことです。
この花が咲くと夏が来たと僕は感じる。幼い頃学校の帰り道、梅雨の晴れ間の青い空と白い雲と強い太陽と濃い緑とオレンジのこの花は美しく見え、家に持ち帰ったがすぐ萎れてしまった。次の夏も亦同じことをしていたことが思い出される。 (ま)
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