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わが屋戸に 韓藍蒔き生おほし 枯れぬれど
   懲りずてまたも 蒔かむとそ思ふ
            万葉集 山部赤人



秋さらば 写もせむと わが蒔きし
     韓藍の花を 誰か採みけむ
            万葉集 作者不詳



秋風の 吹きのこしてや 鶏頭花
              与謝蕪村



鶏頭の 十四五本も ありぬべし
              正岡子規








・別名/ 鶏冠花(けいかんか) 韓藍(からあい)
・英語名/ cocks-comb (鶏のとさか)
・8月19日の誕生花(鶏冠鶏頭)
 9月3日の誕生花(槍鶏頭)
・花言葉は「おしゃれ」(鶏冠鶏頭)
      「個性」(槍鶏頭)
・万葉時代にはすでに渡来していた”古株”。








けいとう  鶏頭  Celosia cristata L.     〔ひゆ科〕


 昔、日本へ輸入され,観賞用花草としてひろく庭園に栽培されている1年生草本で、原産は多分,アジアの熱帯地方だろうといわれている。茎は直立して高さ90cmぐらいになり、茎質は硬くて毛がなく、しばしば紅色になる。葉は互生で長い柄があり、卵形あるいは卵状皮針形で、先は尖り、基部は普通急にせまくなっていて、長さは 5〜10cmぐらいである。しばしば花軸が帯化し、上部のふちは著しくひろがって鶏のとさかのようになり、その部には小さい鱗片が多数あり、その下部の両面には無数の小花を密につける。夏から秋にかけて開花し、花の色は赤、紅、黄、白など種々あって美しい。がく片は5個で広皮針形、先は鋭く尖り、長さ5mmぐらい。おしべは5個で、がくよりは短かくて花糸の墓部はゆ合している。めしべは1個で子房には長い花柱がある。蓋果は卵形で宿存性のがくがあり、横に裂けて開裂し、上半の帽子状部の上に細長い花柱が1本残っている。蓋果の中には3〜5個のつやのある黒い種子が入っている。園芸品種にはチャボゲイトウ、ヤリゲイトウ、ミダレゲイトウ、サキワケゲイトウなどがある。 〔日本名〕鶏頭の意味で、花がおんどりのとさかに似ているからである。 〔漢名〕鶏冠。               
−牧野植物図鑑−




主な品種

ノゲイトウ → 拡大 ケイトウ → 拡大 羽毛ケイトウ → 拡大





  この花は晩秋ではなく初秋からの花だが、僕の目には草木が紅葉し散り始めた頃、茎の花とともに強烈な色で目を引くのでこの時期に持ってきた。万葉の昔からあると今回調べて初めて知った。(ま)


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