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ももしきの 大宮人の  かづらける
  しだれ柳は 見れど飽かぬかも  
万葉集 作者不明


浅みどり 染めかけたりと 見るまでに
  春のやなぎは 芽もえにけるかも  
万葉集 作者不明


あさみどり 染めてかけたる 青柳の
  糸に玉貫く 春雨ぞ降る    源実朝  
金槐和歌集


八九間 空で雨ふる 柳かな       松尾芭蕉


やなぎから 日のくれかかる 野道かな  与謝蕪村


振り向けば はや美女過ぎる 柳かな   小林一茶


瓦斯燈に かたよって吹く 柳かな     正岡子規


やはらかに 柳あをめる 北上の
  岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに    石川啄木








花言葉

わが胸の悲しみ、愛の悲しみ、従順、自由


 「従順」「自由」という正反対の花言葉は、いずれも柳の枝や葉っぱが、風に揺れる姿に由来します。弱い風にも素直にそよぐところから「従順」、強い風によって枝や葉がまるで羽ばたいているように大きく揺れ動くところから「自由」と付けられたそうです。











 しだれやなぎ 枝垂れ柳  (いとやなぎ)  〔やなぎ科〕
Salix babylonica L.  
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 古い時代に支那から伝わって来たものであるが、今では広くあちこちに植えられている。高さは5~10m,幹は灰黒色で縦に裂け目があり、枝は柔軟で下垂し、風にしたがって揺れやすく、そのため堤防や道路の街路樹として植えるとおもむきがある。葉は互生で、普通は垂れ下り、線状皮針形あるいは長皮針形で長さは5~12cm、先端は尾状に尖り、葉の基部は広いくさび形、ふちは低くて規則正しい鋭きょ歯があり、表面は暗緑色,裏面は帯白色、毛は全くな早春,葉がのびきらないうちに黄緑色の花が咲く。花穂は曲がり、長さ15~30mmぐらいで細い。花軸には毛が多い.雌雄異株・おばなにはおしべが2個ある.めぱなのめしべには柄がなくて、柱頭は2裂する。包はめすおすともに卵状楕円形で先は丸く背面は無毛である。
 〔漢名〕柳。
-牧野植物図鑑-








 他の柳に比べ、枝垂れ柳が好かれ、街の中や水辺に植えられてきました。枝垂れ柳と幽霊は、夏の欠かせない風物になっています。何故でしょうかね。
 枝垂れ桜、枝垂れ梅も同じ人間の気持ちを揺さぶるものがあるのでしょう。垂れることにより、こんもりとした木の姿が、大きな生き物をイメージさせているからではないでしょうかね。それは生き魂、霊魂の居場所をイメージさせてきたからではないしょうか。
 だから枝垂れ柳と幽霊がセットで連想されるのは、当然の事なのでしょうね。    (ま)






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