↑prev next↓
草木国土悉皆成仏 


 そうもくこくどしっかいじょうぶつ と読みます。日本人なら誰でも分かっていることです。この言葉を知らなくても、何にも恥ずかしい事はありません。
 意味は、人間だけではなく、動物植物、山や川に至るまで、あらゆるものに魂が宿り、その魂には仏は宿り、成仏できる存在であるという意味です。

 外国から仏教がやって来て、日本の伝統的な宗教との調和に、長い時間かかりました。悩んだ末にお坊さんが辿り着く教えです。ブッタもここまでは言っていません。仏教の拡大解釈です。徹底的な性善説、悪魔は存在しない。と言い切ったのです。
 日本人は縄文時代から、あらゆるものに魂が宿り、あらゆるものと上手く付き合いば、幸福になると信じて来ました。それを仏教の言葉で表したのです。

 日本人なら誰でも知っている。と言ったのは、僕らの日常生活に根付いているからです。外国人が来たら、悪い人が来たと思いません。だから誰にでも親切に出来ます。人が居なくても信号を守ります。あらゆる所に神様がいて、守らなければ罰が当たると信じているからです。道路を掃除したりするのも、そこにいる神様といい関係を持つことが、自分の幸せに繋がると信じているからです。

 社会が複雑になり、詐欺が横行したり、また外国人との付き合いが増え、言ったことが素直に受け取られなかったりする事が多くなりました。心の武装が必要な場合も多く出てきました。でも、基本的なものを失っては、日本人が日本人でなくなってしまいます。

 外国人にこの様に接して来たが故に、日本人は信頼されています。知らぬ間に好意的な扱いを受けているのです。それを足し算したら、少々損をしても、得るものの方が多きいのです。
2019.12.14 Mamoru Muto
↑prev next↓