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お む す び 


今は「おむすび」と「おにぎり」の区別をつけず、使っています。
「おにぎり」は手の動きから生まれたものです。
握り寿司の世界的ブームに引きずられ、さらに最近は、おにぎりが世界的に脚光を浴びています。
しかし、日本語としてみた時、「おむすび」の方が古く、深い意味を有しているのです。

「むすぶ」とは命と命を結ぶもので、結婚と同じ意味なんです。
「むす」を漢字で表すと「産す、生す」で、ものが生まれると言うことで、これは日本人の信仰の本質に関わることなのです。

もの(物)、あらゆるものは、魂と結びつき、命を得ています。
動物や植物ばかりではなく、山や川、家にある家具や道具にも魂が宿っているのです。
人間にとり、それらとの付き合い方が最も重要なことになってきます。

付き合い方を間違えると、荒神や妖怪となり危害を与える存在となり、上手く付き合えば、福神として幸福をもたらしくれる存在なのです。

「おむすび」は、お米の命と私達の命を結びつけた、命の食品という意味合いなのです。

2019.1.12 Mamoru Muto

 おむすびが世界的ブームなりつつあり、サンドイッチ方を並べるのではないかと注目を浴びています。
 お米は癖のない食べ物ですので何にでも合う訳です。お塩を少し降りかかれば、ほんのりと甘みが増して、どんな食材をトッピングしても調和した味を保ちます。
 炊飯器が普及した今日、握ればいいだけです。しかも腹持ちも良いですしね。誰にでも作れる世界食品に成長するのではないてましょうか。
 思うに、お寿司は魚の米塩漬けから始まる、二千三千年の歴史があり、それに見合う哲学もあります。食品にまつわる深さが、世界食品としての屋台骨がぐらつかない強さがあるのです。その長い魚の漬け物とおむすびを合体させたものが、握り寿司です。深い意味合いを持つおむすびが、世界的流行になるのも、至極当然のことかもしれません。

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