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心は旅人して
 
 
高校生の頃、この世のもの全てに疑問を持ってしまった。
人は何故食べるのだろう、なぜ右手で箸を持つのか、
悲しいのに何故涙が出ないのか、笑えないのか、等々と。

ぬくぬくと山奥の町で、親の愛を何の疑問も持たず成長したのだが、
大きな町の高校に出て、何も世間を知らない、小さな自分を恥じた。
それを何もかにも、と拡大してしまったのは、
多感な思春期の成せるワザです。

そんな疑問に答えを見付けるために旅に出た。
様々な出会いがあり、様々な経験をし、また失敗もした。
たくさんの時間を経て、
何とか人間として生きてゆけるようになった。

さてどうでしょうか、僕にはもっと別の人生があるかもしれません。
僕が下して来た、若い頃の疑問への答えと決断は、
かりそめのにしか過ぎません。

新たな心の旅を続けることが、よりよき私に出会い続けることが、
最も大切のだと思います。
 
Mamoru Muto 2012 正月

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