思い出すまま - No165 /  prev top next

 今年は何が起こる分からない
 2017年、なんともかんとも何が起こるか、今年は予想が出来ません。アメリカも保守の大統領に代わり、世界が保守の政治で動くようになった。しかし経済の相互依存が進み、政治的、軍事的対立は限定的なことしか出来ない。というのが、現状です。
 ひと時代前なら、軍事衝突など力による解決が出来なくなった、その分各地に小さなトラブルが蔓延することになる。なかなか予想が出来なくなったということでしょう。だから今年は何が起こるか全くわかりません。
 
 
 TPPについて
 トランプはいずれTPP参加を表明するでしょう。この条約を最も必要としているのは、アメリカだからです。あれだけ反対とぶち上げた手前取り下げるのは簡単ではない。
 途上国の経済規模の拡大と先進国の経済の停滞は、歴史的必然です。第二次大戦後アメリカは経済のリーダーとして、世界経済を仕切って来たのです。それが、リーマンショックによりその地位が揺らぎ始めた訳です。
 TPPはアメリカと近い先進国が共同の市場を作り、世界経済のリーダーの地位を確保するのが、一番の狙いなのです。確かに問題はあります。労働者の仕事の確保、医薬品の安全性、安い農産物の流通と言った、国別に様々な問題を抱えています。しかしそれらは、先進国同士なら話し合いにより調整は可能です。相手が中国やインドだとしたら、調整するのは大変な作業になる訳です。
 もし世界市場を現在の中国がリードするような事になれば、今まで築き上げてきた、流通の信頼性が一気に低下する事になります。アメリカの労働者の待遇なども、先進国の労働者との比較ではなく、中国の労働者との比較という事になり、待遇低下は避けられないと思われます。
 今回の選挙で有権者の不利益ばかりを拡大宣伝した、トランプの手法は、間違いです。彼は政治に対しては全くの素人。政治家ならあるべき政策を提示すべきなのに、全くそれをしていません。大衆の不安を煽り、他者の欠点のみを非難する、理性を失った煽る政治が横行する事こそ、世界を疑心暗鬼に導き、混乱を大きくしているのです。でも、トランプごときデマコボキーでアメリカの政治が変わるとは思われません。11/16 (ま)
 
 
 2016年感情が政治を支配した年
 非難と批判は違う、非難は自分の思うがまま他人の行動を悪くいう事で、批判は他人の行動の中身について論じる事です。批判なら改善の余地があるし、非難なら人を追い詰めるだけ、非難された人は傷付きいつの日か半反撃する時を狙う。
 2016年は、そんな非難が政治を支配した年です。フィリピンの大統領、イギリスのEU離脱国民投票、アメリカの大統領選挙と。下層の人々に蓄積された不満を、代弁というより利用し、多数派を狙った卑劣な方法である。政治家なら、夢や政策で国民に訴えるべきで、非難された人々いつの日か反撃に出る。
政治的に拡大された非難は、人の押しのけ、他国を押しのけ、他者を物理的に排斥する事になる。そう言った政治手法をとる政治家は信じない。例え選挙の為の方便であったとしても、そのしこりは長く残る。
 
 グローバル化の流れは変わらない。流通も情報も国境を越えて、流れています。半世紀前の何十倍の量です。それに伴い人も仕事、旅行、難民、と移動が激しくなっています。
 EU諸国やアメリカにおける右派の台頭は、それらに直接的な被害を感じている、下層社会の反撃です。全体としては、グローバル化の利益の方が大きいのですが、それが均等に分割されない不満でしょう。
 イギリスのEU離脱、トランプ大統領の出現は、今までのグローバル化の流れへ見直し、ブレーキをかけようとしているけれど、この流れを押しとどめる力はない。と僕にはそう思われます。
 
 
 トランプ大統領の出現をと中国は歓迎しているようですが、さてどうでしょう。
 中国の問題は外交的な問題ではなく、国内問題が最も深刻な問題です。経済成長はしたが、社会がそれに対応していないという事です。それを外交問題としてすり替えて来たのが、中国政府の取ってきたやり方です。
 中国批判の圧力が弱まれば、国内問題を外交問題へすり替える事が出来なくなるわけで、政府の責任がクローズアップされることになります。外国の大統領は基本的に関係ないのじゃないでしょうかね。
 
 
 トランプ
 勢いで大統領になってしまった。というのが本当話でしょう。本人も当選するとは思っていなかった。政策やアメリカの夢を語らず、未だにどんな政権(12/11時点)なるか決まっていない。僕ははこの政権は認める事は出来ません。
 ただ歴史とは常に人間の予想を超えて進行するもので、将来に対して悪い結果を残すとは限らない。強力な大統領の間違った判断よりはマヒだとは言えます。保守的政策なるだろうとは予想されるが、さりとて現実的対応をするだろうともに予想される。
 
 日本との関係は悪くはないはずです。アメリカを支えているのは、アメリカの同盟国です。その筆頭が日本である訳で、日本との関係が悪く慣ればアメリカ自体が成り立たなくなります。
 TPPについても、アメリカ経済の国際的位置が見えていないから、反対したので、それが分かれば、復帰して来るでしょう。
 
 
 感情、人間は機械じゃないから
 民主主義の弱点といえば、衆愚政治と言われるような、集団精神病的に動いてしまう事です。人間も群れる生き物ですから、仕方ありません。機械じゃありませんから。人間には修正能力あるし、またそこに新たな結果や価値を見付けることもあり、民主政治の欠点とは言い切れません。
 先のイラク戦争は9.11によるアメリカ国民が被害妄想に陥り、大量破壊兵器とイスラム過激派の拠点とかの誤報を信じてしまったからです。今回は長年の移民受け入れ政策に疲れてしまったからでしょう。トランプの当選は、少し休ませて欲しいという国民の叫びでしょうかね。
 アメリカ社会の活力は他民族国家で、様々な価値を共有してこそ出て来る活力ですので、いずれ元にたどるでしょう。
 
 
 慰安婦問題
 朴政権が崩壊したらまたこの問題が日韓の外交問題に浮上するのではないかと懸念されています。これは旧日本軍の問題というよりは、なかなか解消されない韓国の男女差別が根本原因です。問題を旧日本軍になすりつけ、現状の問題を回避する、政治的陰謀です。
 日本も含め東アジアは男尊女卑の社会でした。下層の女子は性産業に身を投じるのが、道徳でに非難されることはありませんでした。それが沢山の若い男性を抱える日本軍にとり、彼らの性衝動をコントロールし、性犯罪を未然に防ぐことは、大きな悩みでした。そので民間の性産業者と軍が結びついたのが慰安婦です。
 下層の女子にとり、健康診断を義務付けられ、安定した収入が得られる慰安婦は、むしろ他の性産業より安心できる働き場であったと思われます。民主化が進み、男女差別が問題視される今日だからこそ、それは道徳的見地から非難されますが、当時はそういう非難は少なかったのです。軍の意向となれば、業者や女衒達が隠然たる力を持っていたわけで、そこに悲劇が生まれたことは考えられます。
 
 戦後、その性産業と政府の結びつきは残ることになります。新たに韓国に駐留して来たアメリカ軍と結びつき、新たな慰安婦が長く残ったにです。
 韓国社会は、日本より古い伝統が残る社会です。二百年前まで奴婢という奴隷階級が存在していましたし、儒教の伝統が強く、男女差別は根深いのです。今日、韓国では美容整形が盛んです。女性の価値を容姿にだけ求める為で、女性差別の病根が根深いからです。
 慰安婦問題として、旧日本軍のみを非難するのは、韓国社会が遅れた男女差別だと認めたくない、政治的意図が働いていることになります。そして、なかなか日本に追いつけないコンプレックスその根底にあるのです。それ故問題は根深いです。事実を直視することからしか解決の道はありません。日本人が明治以降感じていた、西洋人に対するコップレックスを感じなくなったのはごく最近です。それを考えるとまだ長い時間がかかります。
 
 僕の青春時代、1970頃の日本は、まだまだ朝鮮人差別が根強くて、それに同情し、朝鮮半島の社会や政治を批判する事を控えて来ました。現在の反日が露骨な政治的行動で、過去の事実や現在の矛盾の隠蔽に繋がっているとなると、言わざるを得ないのです。
 
 
 2017年、今年は
 前向きに頑張るだけですね。先が読めないというのが実感です。世の中も、身近な事でも、全く不鮮明、そして何が起こるか分からない。ですね。
 だから一つ一つ、誠実に対応し、めげない。そういう態度を維持できたら、いい話も舞い込んでくるでしょう。その時は精一杯背伸びして挑戦しましょう。そんな態度表明しかできないでね。
 

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