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      漁 火
 
 
 ゆるゆると上り坂のカーブをまがり山の突端を越えるところまで来た時……
 目前に広がる  噴火湾の風景
 明け方までもう少し、そこに無数のびょうぶの形をした「灯」
 しばし、見とれる。
 
 右往左往している。人が生きている
 とてつもない数の「灯」
 原発がばくはつしてから、
 改めて「生きる」ことをまた考えはじめた。
 いや、考えている余裕などない。
 
 無数の漁火は、
 私の生きることへの道しるべとなった。
 人は、汚染のない自然の中に生きているべきである。
 
 漁火の輝きが消えることのない様、
 祈りを捧げる……。
 
麻梨  二月下旬

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