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あしひきの 山つばき咲く 八峯やつを越え
     鹿
しし待つ君の いはひ妻かも       万葉集


巨勢山
こせやまの つらつら椿 つらつらに
     みつつ偲
しのはな 巨勢こせの春野を
                    
万葉集   坂門人足さかとのひとたり


ちはやぶる 伊豆のお山の 玉椿
     八百万代も 色はかはらじ    
金槐和歌集   源実朝


落おちざまに 水こぼしけり 花椿        松尾芭蕉


赤い椿 白い椿と 落ちにけり          河東碧梧桐


昼の井戸 髪を洗ふと 葉椿の
     かげのかまどに 赤き火を焚
く    若山牧水


ゆらぎ見ゆ 百の椿が 三百に         高浜虚子



 




1月12日、2月14日、12月10日  の誕生花



花言葉は


  贅沢、おしゃれ、至上の愛らしさ、謙遜の美徳




 




色 々 な 椿


薮椿   もっともよく見かける椿。花は大きくやや筒型。花ごと散る。
  花びらは厚みがある。別名「山椿」

雪椿   日本海側の山地などに生える。全体的に薮椿によく似ている。
  花びらは平開し、花ごと散る。葉っぱのこまかい葉脈が目立つ。

春山茶花

  花、葉とも薮椿そっくり。花ごと散る。

山茶花

  花びらは平開し、1枚ずつ散る。葉は薮椿よりは小さい。

寒椿

  花は小さく八重が多い。1枚ずつ散る。葉は小さい。

夏椿
  咲く時期は夏。時期的に区別できる




 





    つ ば き       Camellia japonica L       〔つばき科〕
 本州から九州の海岸近くの山地にはえる常緑高木。全体に毛はなく、よく茂った緑葉には葉柄があり互生し、楕円形で短かく尖り、へりには細かいきょ歯があり、厚くて表面につやがある。春に枝先に花柄のない大きな赤い花を付け、下向きに開く。緑色のがく片は花芽の鱗片とともにかわら状に重なり、5個の花弁は完全に開かず下を向き、基部は互に寄り集まってつずく。多数の雄しべは単体雄しべとなり、花冠の基部に付着し、花の中心には無毛の1個の子房があって花柱は三つに分かれる。さく果は球形で、果皮は厚く、胞背開裂し、暗褐色の2~3の種子を出す。この種子からつばき油をとる 。自生の品種をヤブツバキまたはヤマツバキと呼び、園芸品には多くの品種がある。
 〔日本名〕厚葉木の意味であるといわれるが、また津葉木の意味で葉につやがあるためともいう。椿は国字で、春の盛りの時に花が咲くために日本で作つた字で、支那の椿(チンこれはチャンチン)と混同してはいけない。〔漢名〕山茶。
 裏日本でかなりの山地にまで枝が低くたれて深雪に適し、花はおしべの花糸が黄色を帯び、 しかも5個のおしべ群に分れる種類がある。ユキッバキ(C. rusticana Honda) という。近年園芸品の耐寒性の母株として注目されてきた。
-牧野植物図鑑-




 




 忘れていた花の一つです。山茶花を載せたので、遅れてしまいました。あまり強い印象がないからです。自分の個展で寒椿を持って行き飾ったりはしていたのですが。
 椿の思い出と言えば、子供の頃花ではなく葉っぱをくるくると丸めて草笛にしていたことです。筒に丸める最初に葉を折り、筒の真ん中にくるようにするのです。これがリードの役目を果たします。葉っぱは硬すぎてもいけないし、柔らか過ぎでもいけない。「ブーー」と高い音は出ないが、上手く作れば中音の笛となる。                             (ま)


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