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三日月に地はおぼろなり蕎麦の花  
蕎麦はまだ花でもてなす山路かな     芭 蕉


残月やよしのの里のそばの花
鬼すだく戸隠のふもとそばの花       蕪 村


夕山やそば切色のはつ時雨
赤椀に龍も出そうなそば湯かな
江戸店や初蕎麦がきに袴客         一 茶


新しき蕎麦打つて食はん坊の雨     夏目 漱石

新蕎麦を待ちて湯滝にうたれをり    水原秋櫻子








花 言 葉

懐 か し い 想 い 出
喜 び も 悲 し み も
あ な た を 救 う
 






世界の蕎麦料理

そば粥 ・・・・  ロシア(カーシャ)、ヨーロッパ各国
薄焼きや厚焼き(チャパティ、ナン)・・インド、ネパール
パンケーキ、クレープ ・ ブルターニュ、アメリカ、カナダ
そばすいとん  ・・・・・・・・  イギリス、チロル
マスのソバ粉詰め  ・・・・・・・  ヨーロッパ各地
そばピロシキ    ・・・・・・・  ポーランド
河漏(ソバ粉を延ばして煎餅、湯餅) ・・  中国
猫の耳(マカロニ形にして羊肉や野菜と煮たもの) ・・ 内蒙古地方
冷麺(レンミョン)ムック(蕎麦の羊羹) ・・ 朝鮮半島
 






そ  ば  (そばむぎ)  Fagopyrum esculentum Moench   〔たで科〕
 古い時代に日本に伝えられ、今ではひろく各地の畠に栽培されている草質の軟かな無毛の1年生草本で、原産地は中央アジアである。茎は直立して分枝し、高さは40~70ぐらい、円柱形で中空、淡緑色で、しばしば紅色をおぴる。葉は互生し、長い柄があり、心臓形で先端は鋭尖形、下部の葉のふちには多少の稜がある。さや状の托葉は膜質で、非常に短い。夏または秋に、茎の先や葉腋から出る枝の先に短い総状花穂を出し、白色あるいは淡紅色の小花をつけ、小花柄の基部には小包がある。がくは深く5裂し、裂片は卵形で、長さ3~4mmぐらい。花弁は無い。子房の上部には花柱が3個ある。そう果は鋭い3稜がある卵形で、長さ5~6mm、下部に宿存がくがあり、生時は緑白色、時には紅色(var.erythrocarpum Makino)であるが、乾燥するとともに黒褐色になり、長さ5~6mmある。種子中の子葉は旋曲している。ナツソバ(var.aestivum Makino)とアキソバ(var.autumnale Makino)に大別される。果中の胚乳からそば粉を作り、食用とする。
 〔日本名〕ソバは古名ソバムギの略である。ソバムギのソバは稜で、ソバムギは角のあるムギという意味である。〔漢名〕蕎麦。
-牧野植物図鑑-
     最近の遺伝子研究で原産地は中国雲南省雲貴高原が有力となった。





  




 万葉集やその後の和歌に蕎麦は余り出てこない。飢饉の作物として冷遇されて来たからでしょうか。江戸時代になり「そば切りブーム」で、その地位が上がり俳句に読まれるようになった。
 今でこそ高級食材に格上げされたが、ほんの四、五十年前までは、安い食材だったんです。世界でも、小麦のとれない山間地の命を支えてきたのです。そばがき、すいとん、粥、パンケーキのような食べ方が多いのですが、調べてみると、その土地にしかない特別食として進化してきたものも多く、興味をそそられます。   (ま)




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