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雌花                  雄花



珍しいうちは胡瓜も皿に盛り  江戸中期の川柳 作者不詳


胡瓜 生節 善き酒ありて 俗ならず     正岡子規
                           生節=なまぶし

斗酒ありや 日暮れて 胡瓜 刻む音     尾崎紅葉


人間吏となるも 風流 胡瓜の曲るも亦    高浜虚子


瓜 きざむ やめたく思ふまで 刻む     山口波津女







 祇園信仰において、スサノオ(牛頭天王)を祭神とする八坂神社の神紋が木瓜であり、キュウリの切り口と似ていることから、祭礼の期間はキュウリを食べないという地方(博多の博多祇園山笠など)もある。
 キュウリは河童の大好物だとされ、キュウリの異称となっている(かっぱ巻き、かっぱ漬け)。
 また、江戸時代は、輪切りにすると徳川家の家紋である葵の御紋に似ているところから、それを食べるのは不敬であるとして、キュウリを輪切りにされることは慎まれていた。







き ゅ う り   Cucumis sativus L.     〔うり科〕
 インド原産の一年生つる植物で、ひろく菜園に栽培されている。茎は巻ひげによって他物にからみ、長く延ぴ、全体に粗毛があり、いちぢるしい角がある。葉は柄があり、掌状に浅裂し長さ8~15cm、裂片は先がとがった三角形、ヘりには歯状のぎざぎざがあり、質はざらつく。雌堆同株で、夏に黄色の単性花を開く。花冠は5裂してしわがあり、径3cm内外、短かい花柄があり、雌花は花下に長い子房があり刺毛がある。雄花は3個の雄しべがある。果実は円柱形の液果で長さはふつう15~30cm、表面は若い時刺毛があり緑白色や深緑色、熟すると黄かっ色になる。種子は黄白色で卵皮針形、ヘん平である。果実を食用にするので多数の品種が知られている。果汁は湯やけどによくきく。
 〔日本名〕黄瓜の意味で、実が熟した時の色にちなむ。〔漢名〕胡瓜。

              
-牧野植物図鑑-





「アナベル」という品種。 白い花


 夏になると、必ずきゅうりのピクルスを作る。栄養価はないのだが、夏にはなくてはならない野菜である。漬物よし、サラダ、酢の物と食欲誘ってくれる。  小さな頃、畑のきゅうりをボリボリかじりながら、食事前の空腹感を満たしていたことを思い出す。 (ま)





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