の だ ふ じ (ふじ) 〔まめ科〕
Wistaria floribunda DC. (=Kraunhia floribunda Taub.)
各地の山野にはえ、また観賞品として庭園に植えられているつる性の落葉低木。幹はいちじるしく長くのぴて分枝し、右巻きに他物に巻きつく。葉は互生しで有柄の奇致羽状複葉、小葉は4~6対つき、卵形、卵状長楕円形あるいは皮針形、先瑞はやや鋭尖形、基部は鈍形または円形で短柄がある。葉質はうすく両面とも多少毛があり、葉脈上には持に多くはえる。4月頃、紫色の蝶形花が多数、総状花序を作って、垂れ下り、花序の長さは30~90cmぐらいになる。花は長さ12~20mmぐらい。小花柄は花よりも長い。花が終ってから、大きく平たい豆果を生じ、果皮はかたく、細毛でおおわれる。種子ば平たい円形で数は少い。花が白色の変種があり、シロバナフジという。また淡紅色のものがあり、アカバナフジという。
〔日本名〕 野田藤の意味で、野田は大阪の地名で、昔同地はフジの名所であった。フジは吹き散るの意床であるといわれている。
〔漢名〕 一般には紫藤をあてているが、この紫藤は支那産のシナフジ(W. sinenesis Sweet)のことである。日本では藤の1字をフジにあてているが、これは誤りである。
-牧野植物図鑑-