だいこん 〔あぶらな料〕
Raphanus sativus L. var. acanthiformis Makino
日常の重要な蔬菜として、ひろく裁培されている越年生草本。土中に直下する地中部(いわゆる大根〉の上部は茎(下子葉部)で、中部以下の大部分が根であるが、両者の境界は外観でははっきしない。白色、多肉質の長大な日柱状の直根をもつ。根生葉は束生し、長さ30cm以上になり、普通荒い毛がある。倒皮針形、上部が一番幅がひろい、羽状に深裂、水平に開出した多数の裂片をつける。中央の主脈は白色、多汁質。春に高さ1mぐらいの緑色の地上茎を直立し、上部は分枝し、枝先に総状花序をつけ、淡紫色ぢるいはほとんど白色の、やや大形の十字状花をひらく。花は有柄。がく片は線状長楕円形、長さ7mmぐらい。花弁は広倒卵状のくさび形で基部は長い柄となる。長さ1.5cmぐらい。雄しべは4本が長い。花糸の基部こ密腺がある。雌しぺは1。長角果は長さ4~6cm。やや太く,多少くびれがある。果皮は粗胞質で熟しても開裂しない。くびれごとに1個の赤褐色の種子がある。園芸品種が多い。桜島ダイコンは根が特に大きく丸い。
〔日本名〕大根(オオネ)の音読みである。本種の原産はヨーロッパで、radish(ハツカダイコン)が原種である。むかしヨーロッパから支那に入ったことは、蘆という古い音訳名があることでもわかる。蘆から萊菔、蘆菔、蘿蔔は字をとりかえただけのことである。原語はrape(raphus)またはraphaneに由来するものであろう。
〔漢名〕萊菔。
-牧野植物図鑑-
※注 蘆の「」はコードにない文字、拡大すると 「」 です。「ラヒ」「ロヒ」?発音までは分からない。