乾いた土に生え、5月頃咲く。 | 水中に生え、5月頃咲く。 | 湿地に生え、6月に咲く。 |
花弁の中央に網目模様がある。 | 花弁の中央に白い筋がある。 | 花弁の中央に黄色い筋がある。 |
葉は細く長い。 | 葉は幅広で長い。 | 葉の表面中央に突起した筋あり。 |
かきつばた Iris laevigata Fisch. 〔あやめ科〕
中部以北の水湿地こ群生する多年生草本。支那こも分布する、高さ50~70cm位。草花として池辺等にも栽培する。根茎は横向し多脚的に分技し旧繊維を残す。茎は円柱形で直立し緑色、脚部に2列に扇状に葉をつけ、上部には途中に1葉がある。葉は剣状広線形で尖り、基部はさやとなって茎をかこみ、質柔かく隆起した中脈がなく幅2~3cmで高さは花茎をこえるものもある。初夏に茎項の直立した2個の鞘包間から普通つぽみを三つ順次に出し、小柄のある濃紫色の花を開く。外花被3片は舷部の長さ6~7cm位で垂れ、楕円形で鈍頭、下部の中央は黄色、基部の爪部は舷部の長さの半分である。内花被3片は直立した倒皮針形で、先が少し尖っている。雄しぺ3個は花柱分技の脊面にあり、やくは外向きで白色。花柱分技は3個、先が2個にわれ、裂片はやや楕円形で切れ込みなく、その下に柱頭がある。下位子房は狭長。さく果は長さ5cmの鈍3稜の長楕円体で両端は尖らず、3片に裂開する。種子は半円形褐色、平滑で光沢がある。園芸品に花白色のシロカキツバタ、紫斑のあるワシノオがある。
〔日本名〕書き附け花の意でその転化である。書き附けとは、こすりつけることで花汁で布をこすり染める昔の行事である。
〔漢名〕燕子花を用いるのは謀りでこれはオオヒエンソウであり、杜若も正体はアオノクマタケランである。
-牧野植物図鑑-