げんげ (げんげばな、れんげそう) 〔まめ科〕
Astragalus sinicus L.
支那原産の越年生草本。根には根粒バクテリアが共生し空中の窒素を固定して貯えので緑肥として好んで田畑に植えられ、野性化している。茎は根元から多数分枝して束生し、地面を横にはってひろがる。葉は互生して有柄、4~5の小葉をもった奇数羽状複葉。小葉は倒卵形、先端は凹み、基部は円形でごく短い柄がある。長さ8~15mm、葉質はうすく、裏面には軟毛がまばらにつく。葉柄の基部には1対の托葉があり、卵形で先端はとがる。春に葉腋から高さ10~30cmの長柄を直立して出し、紅紫色まれに白色の蝶形花を傘形に並べて開く。花は7個ぐらい輪状につき、長さ12mmぐらいで、短い柄がある。がくは長さ4mmぐらい。白毛をまばらにつけ、先端には5歯片がある。旗弁は上部がそりかえってひらき、竜骨弁は濃色で、翼弁は淡色である。雄しべは10、下側の9本がゆ着して1対となる。子房は細長く、豆果は三角状でやや直立して生じ、先端は次第にとがって、くちばし状になる。全く無毛で黒く熟して中に平たい黄色をおびた種子を少数生ずる。一般にゲンゲダネと呼び種播き用として売買される。
〔日本名〕ゲンゲは漢名の翹揺の音よみから由来したのといわれる。蓮華草は、花が輪状に並んでつく様子をハスの花に見立てたもの。
〔漢名〕翹揺、紫雲英ともいう。
-牧野植物図鑑-