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中国病 「中国夢」


 オリンピックの成功とリーマンショックは、中国の指導層に大きな自信を与えた。それは忘れていた事、「自らが世界の中心である。」ということを思い出させた。

 超大国アメリカの前代未聞の金融危機から、中国がいち早く脱出し、世界の国々の支援に回る事が出来たという自信は、かっての「中華帝国」の再現と誤解するのに十分であった。

 中華思想は世界観である。中心に何事にも優れた国、天子が治める国があり、周りの遅れた国々に徳を与え、教化し支配する。神から与えられた国であり、この世に同等の国は存在しない。

 かって、この考えに取り憑かれ、ヨーロッパ文明とはなんたるかを理解する事が出来なかった。アヘン戦争で大敗したのに、イギリスを始めヨーロッパ諸国を見下し続け、東洋の蛮族日本に負けて始めて、改革の必要を悟った。


 中華帝国の夢を見始めた中国は、少々の事では夢から覚めない。そこに国と国が対等という概念は存在しない。自分以外のあらゆる国が蛮族であり、教化、支配すべき国なのだ。

 世界帝国、中国の再稼働である。夢から覚める為には、戦争に匹敵するような、大破綻がなければ、容易に覚めない。

2018.2.3 Mamoru Muto
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