すぎな Equisetum arvense L. 〔とくさ科〕
至る所の原野、道端等にはえる多年生草本。地下茎は長く地中を横走して暗褐色をなし、節から地上茎を出す。また節部に細かい毛のある小塊ができる。地上茎には栄養茎と胞子茎の2型がある。栄養茎は高さ約30cm~40cm。緑色中空の円柱状で、縦に隆起した線がとおり、節部から多くの枝を輪生状に密生し、節には退化縮小した舌状葉がさや状にゆ着してつく。輪生している小枝は四角柱状で節に先端が4裂するさや状の葉をもつ。
春早く地下茎から、胞子茎(つくし)を出し、これは淡褐色の平滑で軟かい円柱茎で、高さ10cm~25cm。先が歯片状に裂けたさや状に退化した葉を節から生じ、小枝ははえない。茎頂に長楕円体の胞子穂をつけ、たて状六角形の胞子葉を密生し、胞子葉の下面に数個の胞子嚢をつけ、中に淡緑色の胞子を生ずる。胞子には4本の弾絲がついており、湿めれば、巻き、乾げばほどける運動をする。
夏に栄養茎の頂部に胞子穂をつけることがあり、これをミモチスギナというが特定の品種ではない。小枝が三角柱状のものをオクエゾスギナ(var. boreale Rupr.)といい、北海道、本州北部の山地に多く知られる。
昔からツクシを土筆と書くのは日本名であり、支那では筆頭菜という。ツクシを食用とするし、スギナの若葉も食べられる。スギナ(杉菜)とはその形状が杉に似ていることによる。
〔漢名〕間荊。 -牧野植物図鑑-