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吉沢さんへ
守田幻蝶
 
吉沢さんのベースの音大好きでした。
吉沢さんのベースでおどらせてもらって、からだの中、なりひびくベースの音でいっぱいになり、内側から、ひふから、ほねとほねの間をひびきわたり、からだの中かきみだされ、いっぱいになり、満ち満ちてひふを切りさいてていく。
そんな吉沢さんのベースの音が大すきだった。
私の骨が振動し、からだの中から突きうごかされてるような音だった。
 
 
吉沢さんが亡くなる前にお見舞いにいって、吉沢さんの手をにぎり「吉沢さんのベースのの音大好きだから、また聞かせて、、、また吉沢さんの音で踊りたい。《といったら、吉沢さんの手、ぎゅっとにぎりかえしてくれた。
 
 
そうそう、吉沢さんが元気だった頃ムトウさんの家で、ムトウさん特性のおいしいものほおばりながら、月でもみながら、踊り、みんな思い思いの格好でゴロゴロとして、吉沢さんがベースを弾き、なんて夜が好きでした。ねっころがってきいていると、おなかがごぉーごぉーひびいて気持ち良かった。
 
 
 
お通夜して火葬場で焼かれて骨になった吉沢さん。
富士山の散骨はホント見事なバカっ晴れでいい日だった。
みんなで吉沢さんのホネをごりごり乳鉢で砕き、ポリポリホネ食って、あっカルシウムだね~なんて、みんなでワイワイ。おおーきな器の中の吉沢さんの骨の中から、指先のホネさがしをしたり、、、ふっと横を見るとメグちゃんの目がウルウル涙目になってたりする。
富士山で散骨したときは、みんなが花咲かじいさんになって、吉沢さんの骨をまっさおなおそらにパァーとまいて、めちゃくちゃきれいだった。
 
 
これからも、私のからだの中から、吉沢さんのベースの音が、幻聴ののようになりひびいていくのかなと思う。
 
 
吉沢さん、ありがとう。
(舞踏家)
 

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