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穏やかな秋の日に
母の死や
大水や大風や
地震までも近間に感じると
このあまりにも平凡な穏やかな秋の日差しは
特別な贈り物のように見えてくる。
やっぱりこの世は、一寸先は真暗の闇の中。
今年も何組かの友人が離婚し、
亦、ガンが見つかっておろおろする奴もいる。
手探りで闇夜の道を歩いていた
若い頃となんにも変わらない。
自殺するもの、精神を病んでしまったもの、
事故に出会うものと。
僕の青春は、混沌の中、
自分はそうならぬため、ひっしで歩いていた。
貯蓄や、年金や、家族や仕事や
社会的生存を保障するものの外を歩いてきてしまって、
いまさら人並みになどには戻れはしない。
今それが正しかったととはとても言いえないのだが。
でも、
この秋の平凡な日差しが宝物に見ることができるは、
僕が幸せ者だからかも知れない。
Mamoru Muto 11/30 2004
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