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心は緑の林を抜ける風のごとく
初夏の明るい光と、大陸性の乾いた空気。
雨季の前にやってきた特別の晴間、
林の木々を抜ける風達が
おしゃべりをしながら通り過ぎて行きます。
村道の石垣の上の紫陽花が、
小さな花芽が大きく広がり初め、
白い花弁が微かに青みをおびてきました。
苦手な季節の特別の晴間に戸惑いながらも、
すっきりと青色に染まった青空と、
軽やかな風たちのおしゃべりに
僕も家の中から外の世界に誘い出されてしまいました。
田植えの終わった田圃を風が爽やかに渡り、
燕がぴゅーと飛んで行きます。
草原の緑はますます青く、
明るい木立ちはゆったりと揺れています。
村から山の方に昇って行くと、大きな欅の木にであいました。
根本から見上げたら、枝や葉は空の半分を占めています。
これはまるで北欧神話に出てくる世界樹の様に見えました。
葉や枝は青い空につながり、空には星々も見えたような気がしました。
緑の木々の間を風達が
おしゃべりしながら通り過ぎてゆきます。
僕にも風の言葉が聞こえたような気がしました。
04/6/17 Mamoru Muto
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