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        春の嵐

 

 雨が雪に変わり、又雨となる。

  南風が吹き荒れ、大きな杉の木がきしんだ。

 夜には北風に変わり、

  そして、今日はまっ青に晴れ上がった。

 

 目まぐるしく日替わり定食ごとく変わる天候。

 一雨ごとに雪なることが少なくなり、   

  ゆっくりと本格的に春に向かう。     

 時に吹き荒れる南風は、          

  固く固まっている土をほごす。      

 

 いつしか慣れっこになってしまった、

  今日きょう、明日あす、明後日あさって。 

 なにがしら保守的になっている自分に、ふと気付く。

  十年前より、なにやら身のこなしが重くなってしまった。 

  

 春爛漫の桜吹雪が吹く荒れるためには

  風が吹き荒れ、雨が降らなければならない。

 南風はかじかんだ土塊を緩まし、

  雨は、山路に落石や崩れた小石で山を作る。

 土手には蕗の薹が顔を出し、

  白梅紅梅がまだ寒い日溜まりをはなやかせている。

 

 時に台風並みに成長する春の嵐。 

  固まり始めた僕の心の中まで吹き抜けておくれ。  

 そして、僕にも新しい若芽を育てておくれ。

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