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高 木 神

小さな頃、父と山に入ることがあった。
父は大きな欅の前で立ち止まり、
「この木は百年以上経っている」と見上、
手こそ合わせなかったが、
畏敬の態度を示めしていたことを、
今でも、覚えています。

自然界にある大きなもので、
長く生きているものは、

全て精霊が宿り、神様であるというのが、 日本の信仰です。


高天原神話は飛鳥時代に完成しました。
もうその頃には奈良盆地は開発が進み、
森は山に行かなくては見れなくなっていました。

神話には「高(たか)」の字のつく神様が、
たくさん登場します。
高の字は、森の神様、高木神の象徴です。
その頃には森の神と言う意味は薄れますが、
最高の敬称として使われているのです。

天皇家の先祖の一族が、最も崇拝したのが、
高木神でしょう。
その伝統を「高」の字を使う事により、
高天原神話に残したのでしょう。


また、 諏訪の御柱祭は、高天原伝説が作られる以前の、
古い森の神様への信仰を、
今でも色濃く残す、お祭りです。

森と共に生きていた、
縄文時代からの伝統的神様が、
高木神です。

2022.8.14 Mamoru Muto

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