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二月、もどかしい季節 


春のような暖かい日があったかと思ったら、
次は今季最大の寒気が降りてきた。
光の春は、暑い雲に閉ざされ、晴れの続いた大寒より寒い。

春が足踏みする二月。
芽生え始めた希望が最後の試練を受ける時。
庭で見つけた蕗の薹は、まだ硬く心を閉ざしたまま。

相模湖にいる頃も、遠い記憶の会津の故郷も、
二月はもどかしい記憶が、蘇っては消える。
何か、心めくものを探しに、富士の裾野をドライブしたが、
意気消沈して帰って来たことなどが蘇る。

寒の頃は、晴れていた。
晴れれば寒くても、気分はさほど落ち込まない。
その晴れ間に雲がかかるようになると、
気分まで下降線を描いて行く。

いつしか、「神さまお願い!」と叫んでいた。
「春を、春の兆しをもっと!神さま!」と。

2019.2.13 Mamoru Muto
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