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漢  字  ─ 中国と日本の対比 ─


 中国文明の最大の発明品は漢字でしょう。殷の時代の占いの模様から、漢字は生まれた。漢字の最大の特徴は、意味文字としの性格です。

 文字には、意味と音を表す機能の二面性がある。多民族国家の中国では、意味言葉の側面が大きな役割を果たした。
 話し言葉は各民族で皆違う。特定のの意味に同じ漢字を当てれば、発音は違っても、意味は通じる。この意味性により、民族間の意思疎通が可能となり、巨大国家を築きあげる事ができた。

 そして漢字は、初期の信仰に直結した言葉から、巨大国家を如何にとうちしてゆくか、その論理を記述す事に、最大の関心が払われる事になる。

 日本語は漢字を韻と音に分けて、二重に使い分けた。
 音は中国語の発音そのまま真似、意味も中国語の意味に類似する意味となる。韻は漢字の意味と類似する大和言葉を重視し、漢字の発音を大和言葉に変えてしまった。その使い分けにより、圧倒的な論理展開する中国文化から、日本文化の独自性を守る事に成功した。

 大和言葉は信仰を母体に発達した、話し言葉である。漢字から平仮名、片仮名を発明し、信仰、すなわち、人の心のありようを表現、記述する文化を花開かせる事になる。

2018.2.3 Mamoru Muto
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