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歴 史  庶  民



 とかく歴史というと、有名な貴族や武将の行動に終始しまいがちです。
 しかしそれは一つの現象であり、本当の歴史は、それを支えた庶民の生き様なのです。庶民こそが歴史を作ってきた張本人なのです。

 例えば、明治維新、
高杉晋作や坂本龍馬などの志士の行動がよく焦点になります。
 しかし、彼らは支えられた人々です、力を持った商人や、志士の行動に共鳴した農民や町人の行動そのものが明治維新なのです。
 商人が金を出し高杉晋作に農民軍を作らせ、その軍と、下層の武士が手を取り合い、西欧の兵法で闘ったかい、やる気のない徳川軍が崩壊したのです。もはや力を持った町人や庶民の世と認識したのが明治維新です。
 だから、その後の明治という時代が破綻せず、近代国家へと変貌することが出来たのです。

 同じ事が、戦国時代にも言えます。
 豊臣秀吉が何故、検知や刀狩りをしました。
 大名との直接契約により、農民の権利を保障する代わりに、戦闘能力は解除して貰うためです。
 即ち、土地所有と耕作権の保証。大名以外の勢力からの保護。武器で土地を守る浪費の排除。等々の権利が保障されたのです。
 農民や町人の力を取り込むのに成功したのが、戦国武将として生き残り、庶民をないがしろにした武将は滅んだ。庶民は生産力を高め、自立意識が強まった、それが戦国時代という時代です。

 鎌倉幕府を支えたのは、関東の武士団です。
 彼らは武士は支配者であると同時に、農民達の長、指導者でもあったのです。
 関東の開発が進み、西国に匹敵する経済力を持ったが故に、強力な軍事力を養うことが出来、関東に新たな政権を維持出来たのです。

 この様に、なかなか見えてこない、庶民の生活の有り様が、歴史を作って原動力なのです。
 それは現在もこれからも変わりません。

2016.6.11  Mamoru Muto

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