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日本という種


日本人を現す最も基礎的なものは、
大陸と離れた一万五千年前から紀元元年頃までに造られた。
それ以降の二千年の歴史は、それが開花しただけの時代かもしれない。

鬱蒼とした自然林に囲まれ、長い海岸が線の中で、
自然を愛し、恐れ、調和する事を最も大切なものとした。
土器や磨製石器に見られる様に、繊細な加工技術の基礎もこの時長い年月をかけ生まれた。
五つの母音と五七五のリズム、話し言葉、歌謡もこの時生まれた。

それ以降も海洋性気候がもたらす豊かな自然はその恵みを惜しげもなくそそぎつづけた。
日本海という巨大な堀は、侵略という人災遠ざけ、
新たな知恵や知識を持った人々だけに通過を許した。

そして
日本の歴史時代は、長い縄文、弥生文化のしっかりした基礎の上に、
大陸の文化という調味料を加え、発酵した。
明治以降も同じ事が起こった。
2015.8.20 Mamoru Muto
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