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雪のある風景


二月に入り、東京は何十年ぶりかの大雪になった。
僕もすっかり東京人、二日家に閉じこもっていた。
しかし、何日かすると、この風景に慣れ、
故郷の早春を思い出す。

雪は人を閉じ込める。
故郷の会津は重い雪との戦いの季節。
そして、弱った年寄りの死ぬ、死の季節。
しかし、この世に何もかにも悪いものなど無い。

雪は心の内の世界、空想の世界を広げる。
また、厳しい冬あるが故に、春は殊更に光り輝く。
そして、雪は田畑を肥やし、
豊かな実りを約束してくている。

恐らく、僕の性格や気性を養ってきたのも、
この故郷の深い雪。
久々の東京の雪は、忘れていた自分を取り戻させてくれた。

2014.2.14 Mamoru Muto

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