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地 下 足 袋


温かい季節は、地下足袋底と同じ靴を履いて大工仕事をしています。 雪駄に足袋が伝統的職人の履き物ですが、それでは危ないとクレームがつくので、地下足袋底の靴にしています。軽いし、素足の感触が残るので、いいのです。

パリの若者には、地下足袋は最新ファションとして受け入れられています。
靴にはない素足の感触が受けているのでしょう。

日本のサブカルチャーと言われるものの世界的ブームが止まないのは、ヨーロッパの文明にはない何かがあるからだと思います。

日本の文化は自然と共に進化した文明です。旬という季節感にしても、自然と共存の中で洗練された文化です。

皮肉にも、日本人が忘れかけているものを、世界の人が認め始めています。

それらはけして、百年二百年と言った短い時間で作られたものではありません。恐らく、千年二千年の単位、縄文時代から続く一万年以上の文化の厚みから生まれてきたものです。

論理的ではない、多分に情緒的でさえある文明に、何やら世界の未来を感じ取っているからこそ、世界の若者が日本の伝統的なものに、興味を持っているのではなあでしょうか。 自然を改造しようとする文明の行きずまり、自然と共存してきた文明への憧れです。

皮肉にも、当の日本人はそれに気付いていない困ったことです。特に保守的な日本人は、西欧コンプレックスの魔力から脱出できていない、情けない話です。

2013.12.4 Mamoru Muto

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