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あ り が と う


まだ夏の暑さの余韻が残る青空、
細長い川縁べりの公園は、曼珠沙華の鮮やかな赤で埋め尽くされています。
久しぶりの青空だからでしょうか、曼珠沙華の見事さのためでしょうか、
何かに感謝の気持ちがこみ上げ、「ありがとう」と小さな声でつぶやきました。

いつ頃でからでしょうか、「ありがとう」と素直に言えるようになったのは。
若い頃はなかなか言えなかった。
今考えると難しい言葉です、深く広い言葉です。


誰もがいつでも、ありがとう、と使うけど、
若い人には、簡単に使って欲しくない言葉です。
それは、この言葉は自分と関わるすべてのものとの、
関わりが分からなければ、使えない言葉だからです。

つけんどんな若者が、僕は好き。
見境無く、ありがとうの安売りをする大人の真似はしなくていい。
思わなければ、無愛想にしている方がいい。
本当にそう思った時、一言「ありがとう」と言えばいいのです。

2012.10.5 Mamoru Muto
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