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満     月


新月、満月近くになると力が抜ける。
目的があり動き廻っている時は、あまり感じないが、
オフの大した用事のない日などは、全身が重い。


何百万年の人類の歴史が、細胞に刻み込んだ習性。
満月の夜は、唯一夜行動できる時、逢引の時なのです。
細胞達は夜歩きと出会いの為に、喜々と過敏になっているのです。

でも、僕の体は敏感に反応する感受性について行けないのです。
何時もは防衛的にバランスを取っている細胞達が、
解放したが為、出力低下を招いたのです。


先週末は最悪だった。
過敏になつた感性がプラスではなくマイナスの方向に振れ始めた。
心配ごとがグルグルと回り始め、気持ちを切り替えることが出来ない。
食事や買い物など、日常の些細なことも面倒臭くなってくる。
何やら若い頃の自分に、戻ってしまってような感じとなった。


ちょっとばかり、過敏に生まれて来てしまった為に、
人の言葉の裏まで見えてしまう為に、
物事が分かり過ぎてしまう為に、
身動きが取れなくなってしまった、思春期から青春時代。
そこから逃れる為にひたすら、未知なものを求めるしかなかった、
僕の青春と重なった。

2012.10.2 Mamoru Muto
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