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お べ っ か
若い頃、いやもっと幼い頃から、
大人は「自分を押し殺し、人におべっかばかりしている。
僕はけしてそんな大人にはならない。」と思っていた。
ご近所であろうが、親戚であろうが、顔を合わせると、
相手の喜びそうな言葉を次から次へと並べたて、
何度もペコペコ頭を下げる。
そのクセ、帰ると、手のひらを返して、
その人の悪口を並べ立てている。
二重人格も良いとこである。と。
けして僕はそんな大人にはならないと、硬く決めたのだが、
気付くと僕は誰かかまわず笑顔を振りまき、
歯の浮くようなおべっかを、平気で並べ立てている。
ああっ!いつの間にか嫌な大人になってしまったものだ。
2011 3/23 Mamoru Muto
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