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悪   戯  いたずら
 
 
冬のこの時期になるとふと思い出す。
遠い古里での中学生の頃の話
雪と寒さとダルマストーブ。
 
 
今日はストーブ当番。
ワクワクと学校へ急ぐ。
そう、悪戯心が騒ぐ。


いち早く到着した教室。
ダルマストーブに新聞紙と木片入れ火を点ける。
まずは、その上に石炭をくべる。
そこまでは順当の手順。

石炭に火が燃え移り、もう消えないことを確かめてから、
今度は大量の石炭を載せる。
もくもくと煙がではじた。
煙突に吸い込みきれず、ストーブの口から出て来た。

上の蓋を開け、その苦境を直そうなどあれこれするが、
でもこれも悪戯のうち、事態は更に悪化、
教室中が煙だらけになり目も開けられない。

遅くやって来た他の生徒もワーッとか、チャーッといいながら、
教室の異変を楽しんでいる。
だから誰も僕を責めたりしない。

先生がやって来て、やっと事態の収集が始まった。
窓を開けるよう指示したが、簡単に煙は引かない。
一時間目は20分遅れることをとなった。

そして席につくと、悪たれ小僧がニタッと笑いながらエールを送ってきた。
 
でも、これを叱られた記憶はあまりないのです。
山の中の中学校、勉強でできるできないの区別はない。
実にのんびりした時代でした。
 
1/4 2011 Mamoru Muto
 
 
 
 今田舎に帰ると機械で人の通る道には雪がない。僕の小さい頃は道路は人の歩くところだけ踏み重ねられ、春先まで車は通らない。そんな道に「ドフ」を作って悪戯をした。踏み固められた表面の堅い部分五センチほどを平たく取り、そこに深い穴を掘りまた表面を載せ、下が空洞でないように偽装する。
 また寒い朝は道を強く踏み固め、つるつるにアイスバーン状にしてそこにさらさらの雪をかけて置いたりした。
 もちろん大人に見つかると大目玉を食らうのだが、子供同士で遊んでいる分には怒られない。
 
 寒がりでボーッと自分の世界に浸っていることが多かったぼくだったが、結構悪戯もしました。

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